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NARUTO
日常にある幸せ


鳥が囀り気持ちの良い朝。

気持ち良さそうに向き合ってすやすや眠る黒髪と金髪。

「「・・・・・・」」

ぱちり。青と黒の瞳が同時に開いた。


「おはよう、チカ」

「おはよう、ヨリ」

見事なシンクロで言葉を交わし、ベッドから起き上がる。

部屋を出ればいい香りが漂い、二人は茶の間へ向かった。

「「おかぁさんおは・・・」」

「はよ、母ちゃんならまだ寝てるぞ」

台所に立っていたのがシカマルだった事に双子は言葉を詰まらせた。

シカマルも今や立派な主夫になり、寝室で寝ている奥さんの替わりに朝食を作る事が週に何度かある。

「父さん、かぁさん遅かったの?」

「あ?そうだな、母ちゃん忙しいからな。」

チカが尋ねるとシカマルは箸を置いて抱き上げた。

「父さんは暇なの?」

「阿呆言うな。暇なんかねぇよ」

ヨリをもう片方の腕で抱き上げ、洗面所へ向かった。

「まあ、母ちゃんは強いからな色々と」

「「木ノ葉の英雄!!」」

双子にはこの言葉が誇らしかった。

ナルトもまた、子供達には隠さず自分の事を話した。

自分が生まれて直ぐの話し

その後どう生きて何を受けたか

何を見て知り

辛い別れを乗り越え

向き合い沢山得たものを。

昔話をするように子供達に語った。

『・・・皆おはよう』

「「おかぁーさーん!」」

双子のタックルにナルトは耐え切れず背中が壁に当たる。

『タックルは駄目だって・・・』

まだ声が掠れているナルトに、シカマルが腕を引く。

「ほら、時間なくなるぞ」

「「はーい!!」」

歯磨きを始め、シカマルはナルトの腰を撫でる。

「声掠れてるな」

『・・・誰のせいだ』

端正で色香が増した彼を睨み上げた。

ふっ、と笑い格好良く綺麗な二面性を持つナルトを見おろす。

あれから五年。

子供達も成長し、今ではアカデミーへ通うようになった。

なったものの、双子の力は恐ろしい。

父親に似て頭脳は良く

母親に似て元気で活発

父親に似て面倒だと思えばやらない。

両親の容姿に似てこの歳で告白もされている。

何より驚いたのが、双子にも九尾である九喇嘛の力が分け継がれていた。


『・・・そう言えば今日試験だったっけ?』

「「うんっ!!」」


「変化だったよな?」

「「そう、変化!!」」

どれだけ息がピッタリなのか、時々不思議に感じてしまう時がある。


子供達を送り出して、座ろうとしたが、それは叶わない。

『・・・あのなぁ』

「・・・ん?」

胡座の上にナルトを座らせ、頬にキスをした。

『今日は遅いの?』

「どうだかな。早く帰りてぇってのに」

邪魔ばっかしやがって。

忌ま忌ましい顔で舌打ちをした。

仲間内は別として、年下連中が煩わしい。

いるのだ未だに。
二人の誰かを狙って時間を引き裂いてやろうとしている者

理由を作って時間を稼ごうとしている者

不倫でもいい、と言う馬鹿げた者。

うんざりしてしまう。

里一番の美男子としてシカマルは何年もランクインされている程、彼は人目を引いていた。

けれど愛妻家で子煩悩でもある姿が、カップルや夫婦、子供達からも人気があり

誰が見ても羨ましがられる存在なのだ。





アカデミーから呼び出しをくらった。

「ナルト君!あなたは一体何を教えたのですかっ!」

『主語が抜けて繋がらないってばよ、エビス先生・・・』

私とした事が!頭を抱えるエビス。

「変化の試験であの子達は里の守り神になったんですよ?!」

『──・・・守り神?』

なんだそれ、首をかしげるとハリセンが飛んできて受け止めた。

「なぁーるぅーとぉーっ・・・」

あろう事かイルカ先生までもが現れ、流石に我が子達がとんでも無い事をしたのだと、顔が引き攣る。

「いくら力が分かれたとは言え、姿の小さい九喇嘛様になったのですよ?!」

『別にいいじゃん、九喇嘛の姿になったって。』

九喇嘛と守り神の意味が全く結び付かなかった。

「しらないのか?」

『なにを』

イルカの問い掛けとナルトの反応で理解した彼はため息をはいた。

「守り神ってのは、その九喇嘛様なんだよ。」

『知るかぁっ!なに勝手に俺の九喇嘛を守り神にしてんだってばよっ!!』

腹を摩りながら怒鳴りながら突っ込みを入れた。

「ナルト君に言えば反対されるのは至極当然たる事ですから、非公認で決まりました。」

『勝手にきめんなぁぁっ!!』

なんなんだよそれ!子供達が可愛そうだ。

『・・・ヨリとチカは』

「普通に授業を受けてるし、お前が心配するような事にはなってないよ。」

可愛いって騒がれて収集が着かなかったがな。

思い出し、疲れきった顔を浮かべた二人。

「いいですか、それが弱点にもなりますから気をつけてくださいよ。」

『・・・はーい。』

ああ、見たかったな。

だなんて口にしたらまた振り出しに戻るので言わなかった。




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