NARUTO
十一
サスケにあんな事を言われて意識してしまうようになり、目を合わせる事すら恥ずかしい。
「・・・お前、あからさまだろ」
『うっ、うっせ!』
ソファーの肘掛けに頬杖をつきながら呆れるサスケ。
ギクジャクしている姿はあからさまで、そう言いたくもなる。それくらいナルトは動揺していた。
「当日の方が良かったか?」
『何でサスケはそうズバズバ言えるんだっ!!』
顔色一つ変えずに言ってしまう事が、ナルトは不思議で仕方がなかった。
自分ではサスケみたくストレートに言えない。
「好きだから言える。それだけだ。」
『・・・俺には出来ない。サスケみたく顔色変えないでサラッと言えねぇよ・・・』
顔を背けナルトは目を伏せた。
ため息を零す音がやけに大きく耳に届いてしまう。性格が違うからきっと呆れているのだろう。ナルトは頭の中で呟き瞼を閉じる。
「そう見えるなら、お前の間違いだ」
『間違いじゃねぇよ・・・』
ゆっくり瞼を開き自分のつま先に視線を向けた。年上だからとかじゃなくて、サスケは大人なんだとナルトは唇を軽く噛む。
サスケはそれを眇めた目で眺め、ナルトの手を取った。
『・・・なに・・・っ!』
「平気だって言えるか?」
どくどく速い胸の鼓動に、碧眼のはっきりした大きな瞳で彼をみつめた。
「・・・・・・なんだその顔」
『だって、サスケいっつも・・・』
あたふたとしながらナルトは赤くなる。落ち着かなくて、甘ったるく胸が痛いから苦しい。
「余裕じゃねぇ」
まだ速い鼓動を手のひらに感じて、ただポーカーフェイスが上手だけだと気付く。
サスケも自分と同じ。ナルトは胸がきゅんとして彼の胸元に顔を寄せた。
『なんだ・・・顔に出ないだけか・・・』
「お前みたくコロコロ出るか」
悪かったな。くすりと笑いナルトは顔を見上げてサスケに口づける。
「・・・っ、お前な」
『サスケって・・・動揺すると少しだけ間が空くよな』
以前カカシと合って落ち込んだ時や、自分を優先して帰って来てくれた時の事を思い出した。
「しない方が可笑しいんじゃねえの?」
『そっか・・・』
してくれたんだ。ナルトは胸が熱くなって頭がくらくらした。
人を好きになって通じるとこんなにも違う一面があった事をナルトは実感する。
上がった顔はまた胸元に戻り、規則だだしく動いている音を聴きながら瞼を閉じた。
ぎゅ、と力を込められサスケの毛先が項に触れる。
『髪、くすぐってぇ・・・』
「お前、俺が今どれだけ我慢してるか知ってんのか」
うっすらと笑んでいる顔はナルトに見えないが、揺れた肩に口角を上げ首筋を舐める。
『・・・っ、知らない・・・っん』
狼狽え、戸惑う声。
湿った艶のようなものを滲ませるサスケに、何時も心を乱される。
毎日のように触れられる身体。それが少しずつ変化を現しているのにナルトは気付いていた。
「今すぐ抱きたいの我慢してんだ、あんま刺激するな」
『しっ、刺激って・・・してるのは何時もサスケのほ・・・っ!』
顔を上げて言葉を失う。
どくん、と強く胸を叩かれたのはサスケが艶やかな笑みを向けていたから。
「今のはお前が悪い」
『俺なんも悪く・・・う、んっ!』
遮るように唇を重ねられた。
絡め取った舌のぎこちなさには、何時もサスケをぞくりとさせる。
『ん、や・・・ふ』
濃厚にすれば震える腕。脱がすようにシャツを捲り、色素の薄い綺麗な胸が現れる。
抵抗しようとする腕を簡単に抑えつけ、その胸に吸い付いた。
『あ!、や、なにす・・・っんう!』
一瞬で茹で上がったように頬を染めて、じんわり潤んだ瞳でサスケをみおろす。
「だいぶ感じるようになったな・・・」
『か、かん・・・ちが、あっ!』
そんなんじゃない。頭を振ってみても意味は無かった。
「違うのか・・・」
もう一度きつく、尖った先に吸い付いて歯を立てる。
「これの説明はどうする?」
『あ、ちがっ、そんなんじゃな・・・っ!』
未熟な熱は布越しでも分かるように高ぶり始めている。
サスケはそのまま手を入れた。
『サッ、サスケッ!』
「感じてるからだろ?」
悲鳴じみた声で彼を呼ぶ声が、加虐の心を産みつける等知りもしないで。
『あ・・・やだ、や・・・こすっ、な・・・っ!』
指で刺激を送り高ぶらせると、小刻みに震える足。
喉の詰まったような息をして、肩に額を付け左右に振る。
『・・・っや、あ、やだ・・・やだやだっ!』
「・・・いてっ!」
終いには肩を噛まれサスケは顔を歪めた。
手は止まりナルトを見れば涙を流して、がたがた震えてている。
小さな声でやだ、と怖がるように告げた。
「・・・何で噛んだ」
『だって、やだ・・・俺、そんなしねぇし・・・全然違う・・・っ』
しゃくりあげながら言葉にすると、サスケを喜ばせるものだった。
「女とした事ねえの・・・?」
『サスケと一緒にすんなってばっ!』
ごすごすと額で彼の肩を叩く。キスをした時点で分かってはいたが、誰にも触れられてなく、まさか自慰すら余りしないと分かれば本当にサスケを喜ばせるものだった。
「ナルトが下手なだけだ。」
『へっ・・・下手って言うなっ!』
下手も巧いもあるか!頭の中で叫ぶが、もしそうだとしたら頻度が少ない理由はそれなのか、と気分が落ち込んだ。
「指一本でそうなるなら、そうなんだろ」
『んなの・・・知らねぇし・・・』
ぐすっ、と鼻を鳴らし不貞腐れる。
そしてまたサスケは指を動かせば、直ぐに甘い声を零した。
「覚える必要はねえけど・・・素直に啼いてればいいだけだ。」
『な、んだよ・・・そ、れ・・・っ、あっ!』
押さえつけていた手はとっくに外れていて、ナルトは喉を逸らした。
濡れはじめたナルトのそこを刺激しながら、サスケは胸の尖りに舌を這わし、その先で押し付ける。
『ふ・・・ああっ! それ、やだって・・・んんっ!』
「や、じゃねぇだろ」
本当に今、ナルトをこの場で組み敷いてやりたいが約束をした以上サスケは自身の高ぶったものを出し、ぴたりとナルトのそれにくっつけた。
『サスケ・・・なにだして・・・』
「このままだと俺もお前も辛いだけだろ。」
出すだけだ。怖がらせないよう額にキスをして上下に動かし始めた。
強くなってきた快感にぎゅっ、と瞼を閉じる。
『・・・は、あ・・・っ、サ、スケ・・・』
「・・・っ、なんだよ」
震える声で彼を呼び、切羽詰まったような吐息混じりの甘い声にナルトは興奮してしまった。
震える指先は彼の頬へ伸びてそろりと撫でる。
『サスケも・・・いっしょ・・・っ』
「・・・黙って感じてろ、おま・・・っ」
ちゅ、とナルトはサスケの唇を塞いだ。拙い口付けだけれど、震える目蓋に濡れる睫。
サスケは瞑っている相手を睨み、そして愛おしく思えた。
それをするのは今じゃねえ。
本当に憎たらしかった。
けれど、それがナルトなんだと。
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