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NARUTO
十二

ソファーの上で抱き合ったまま、互いから出る厭らしい音が耳に響く。

『・・・っ、ふぅ、ん・・・っ』

剥き出しの性器を他人に触られた事すらないナルトは、ぬめった音に耳を犯されているような感覚だった。

膝は震え喉奥から出て来そうなものを堪えていると、口の中に指が入って来る。

『あっ、・・・ゆぅ、ふあっ!』

「・・・声抑える必要ねぇだろ」

いやいやとかぶりを振ってみるも叶わず、下半身から何かが出そうな兆しを見せ始めナルトははっと目を見開いた。

『サ、スケ・・・俺トイレ、トッ・・・いぁっ!』

「・・・トイレじゃねぇたろ」

くにっ、と先端を刺激して溢れたものを塗り付け刺激を送られる。

『い、いやだ、って・・・あっ、ああっ!』

「誰が聞くか」

掠れた声は艶があり少し冷たく、甘く突き放せば、揺れる腰。

いずれにせよもう、お互いに限界が近かった。

「・・・いっちまえ」

『いあっ、は、はやっ・・・ああっ!』

どくん。その瞬間ナルトの頭の中は真っ白くなり、下半身からは生暖かな白濁が腹部に掛かった。

「・・・・・・っ」

後を追うようにサスケも迎え、互いのものが混じり合う。

『っや、動かす、な・・・っ』

射精しさらに敏感になったそこはプルプル震え、彼の手がまだいやらしく動く。

ぽすり、と肩に顔をつけ荒くなった呼吸を整えた。

『・・・馬鹿サスケ・・・っ』

「・・・まだ言ってんのか」

知りもしなかった快感を、ナルトはどうしていいのか分からない。

男が男を抱く。

ナルトからすれば摩訶不思議な世界であり知識すら無い。

けれどそれは今した行為はただの一部なのではないか。

『・・・・・・』

嫌じゃなかった。シャワーを浴びながらナルトは思い出し、そう感じた。

サスケから聞こえる荒くなった吐息も、汗の匂いや感触が。嫌ではなく気分が高ぶった事。

『・・・・・・。』

ああ気まずい。彼を見るのが。

けれどサスケは平然としているのだろう。

『サスケ、終わった』

「・・・ああ。」

がさり、と新聞を起き立ち上がった。

あれ?と首を捻るとすれ違いざまに頭を撫でられバスルームへ向かうサスケ。

『・・・あ。』

何かに気付きくすくす笑った。

置いた新聞紙が逆さまだったからで、サスケも自分と同じだったんだと思うと笑みが溢れる。

『やべぇ・・・なんだ、これ・・・っ』

普段澄ましてるサスケが動揺や緊張を隠し切れていなかった事が。

胸の奥が熱くて、クッションを抱き締めた。




夜は答案用紙に書き写した解答をサスケに見せると、眼鏡のブリッジを上げる。

「・・・ナルト」

『・・・え、あ、なに?』

ぼんやりとしたままサスケを眺めていたら、何じゃねぇ、と言われた。

「これ本当なのか?」

『本当・・・?あ、そ・・・っ、うぷっ』

軽く鼻を摘ままれ、ナルトはようやく我に返る。

「結果が楽しみだな。」

『え・・・間違いだらけだったの?!』

ふっと笑った顔にナルトはまさかとショックを受けたものを向けたが、ウスラトンカチとは言われなかった。

数学は平均点取れていればいい。赤点だけは絶対に免れたい所。

『久し振りだったんだよ・・・』

「なにがだ」

テーブルに頬杖をつきながら問題用紙を眺めるサスケ。

懐かしかった感覚を、今でも良く覚えていてナルトは微笑した。

『数学の時いっつも頭ん中淀んでんのに、綺麗ですらすらでたんだよ』

「・・・そうか」

上目でサスケは微笑しているナルトの姿。頷きまた戻すと密かに口元を笑わせた。

『ありがとう、サスケ。』

「それは結果でてからにしろ。頭もヤケ起こしたかも知れないだろうし。」

ナルトは言葉が出ずテーブルに突っ伏す。

あの懐かしさは間違いだったのか、と。

数学の結果だけが早く知りたくて仕方がなかった。






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