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NARUTO


結局話しはすり替えられたままサスケが来て、それは未消化に終わった。

机でしていたのがテーブルでやるようになり、ナルトは毎回机がいいと文句を言う。

言わなければならなかった。


『ちょ、だからくすぐっ・・・たっ!』

「気のせいだ」

な訳あるか!頭の中で突っ込む。

ぴたりと背中にくっつき、腹部に手を回すサスケ。

話す度に項や耳元がくすぐったい。

『くすぐってぇんだってっ!』

「何もしてないのにか」

吐息や髪の毛、時々そろりと触れてくる唇に

羽根で撫でられているような感覚になってしまう。

『だから息とかくすぐってぇの!何アイツみたいな事してんだよ!』

似ているのだ、あの教師とのやり方が。

隣同士だったが、それ以外が似ていてナルトは嫌だった。

サスケはふぅん、と鼻を鳴らし耳たぶを舐める。

『・・・っや!な、何しちゃって・・・ひっ!』

「そんな奴と一緒にすんな、ウスラトンカチ」

同じだろう、と言いたげな目を向ければ涼しい顔をしてナルトを見ていた。


それが気に入らないナルトは彼の額をぺちん、と叩く。

「この野郎・・・」

冷笑を浮かばせサスケは呟くと、ナルトの頬が引き攣った。

『いっ!・・・ばっ、馬鹿じゃね・・・んぅっ!』

がりっ、と耳たぶを噛み付かれ痛みが走る。

文句を告げようにも、塞がれてしまった唇からはただくぐもった声が零れる。

こんな事が続くようになり、集中が途切れてしまう。

「そこ、先にカッコからだぞ」

『・・・っ、え?』

唇が離れ、見ていたサスケは指摘をする。

顔は前に戻って用紙を眺めるナルト。

肩に顎を乗せ、脇から手を入れ用紙を指す。

「この問題はカッコからやってかないと終わらない」

『・・・はぁ。』

ため息が出た。

順番がいちいち変わったり、書き方が違ったりで嫌になってしまう。

区切りがつくとナルトはベッドの縁に顔だけを突っ伏した。

『なあ、なんでそんなちょっかい出すの?』

「お前のトラウマが邪魔なだけだ。」

忌ま忌ましそうに告げられるが、だからどうした、となってしまうナルト。

そこには、塗り替えると言う単語が無かった。

「そんな奴のせいで進まないのが癪に触る。」

『・・・嫉妬か』

すんなり出た呟きにナルト自身が驚き、口元に手を当てる。

『いや、そうじゃなくて!』

顔をあげ言い換えようとすれば、強い力で引き寄せられサスケの唇が重なる。
『む、う・・・あ、や・・・っ』

唇のあわせが深くなり弾みで開いた隙間にぬるりとしたものが滑り込んできた。

(サスケの・・・舌?)

いつもなら重なり合うだけの口づけなのに、濡れた感触は柔らかく淫猥な動きをする。

『サッ、あっ・・・ううっ』

息苦しさから漏らしてしまった自分の喉声が甘ったるい響きをしてぎょっとなる。

逃れようと頼りなく首を降れば、上顎の裏側にひたりと舌先が当てられる。

『ーーんっ!』

ぞくりとした感覚に身体が震え、きつく閉じた瞳を開けてしまえば、愕然とする。

『・・・っ!』

至近距離にあったのは、彼の射貫くような瞳があった。

怒らせてしまったのだろうかと頭の中でぐるぐるそれが回る。

『や、め・・・ふぅっ!』

羞恥にじわりと瞳が滲み押し退けようとしたが、耳の穴に指を入れられる。

瞼はまた閉じ、絡みついてくる舌は音を立て中を攻めたてたそれは無くなりこえがかかる。

「ーー・・・そんなの当たり前だ」

『だからって・・・いきなっ、す、する・・・っ』

惑乱し、出て来ない言葉を並べる。

慈しむようサスケは唇に触れた。

「何時までもそんな人間に縛られてちゃ溜まんねぇ」

『別に俺は・・・ふ、うぁ!』

指を入れ、舌を絡み取り舌先で緩く撫で付ける。

どくどく速まって流れる血流は、まるで全速力をした感覚になり

同じように胸の鼓動も強く叩かれる。


ただいまー。

玄関から父親のミナトが帰宅した声がした。

『サスケ、と・・・あっ!』

父ちゃんが帰ってきたから。

強く抱きしめられ項を撫でられ声を零す。

どうしようと頭の中で考えようとするが、彼がそれをさせないように触れてくる。

「今頑張ってる最中かー、着替えてくるね」

「ミナト邪魔したら駄目よ?」

「はーいはい。」

とんとん階段を上がってくる音がして、ナルトは焦る。

『サ、スケ・・・やだ・・・っ』

「・・・続きしてろ」

生理的に潤んだ涙を浮かべたまま、唇は離れほっとした。

こくりと頷くとサスケは部屋から出て行く。

『・・・・・・っ』


閉まったドアを見てナルトは唇に指をあて顔を赤らめた。


自分は恋愛事を知らない。

知らないからこそ、さっきの行為が恥ずかしかった。


『どうしよう』

頭がじんじんして、息苦しい。


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