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NARUTO


学校が終わり何時ものように早めにやる事を終わらせたナルト。

ソファーに座ってじっ、と母親を見た。

『なぁ母ちゃん、何で最近そんな大量に作って冷凍してんの?』

「な、何言ってるってばね!何時もこうしてるわよ!」

明らかに動揺を見せるクシナに、やはりナルトは怪しい眼差しを向ける。

『てかさ、何か夜勤無くね?暇じゃなかったよな?』

「今は平気だってばね!まさか居ない時に夜遊びでもしてるってば?!」

ざくり、キャベツに包丁が突き刺さってナルトを睨むクシナ。

『どうやったら出来るんだよ、んな体力ねーよ。』

「体力あったらするってば?!」

今度はクシナがナルトに疑いの眼差しを向ける。

『した事ねぇよ、母ちゃんだってしってるだろ、ほぼ毎日課題出されてんの。』

「けど今はサスケ君がまた家庭教師してくれてるから解らないってばね!」

どうなの!目くじらを立てて問い詰めるが、ナルトは短い息をはく。

『疲れて寝てるっての。』

「本当に?」

夜勤があるクシナは何時もそれが心配だった。

年頃に成長し、ずっと頑張ってきた姿を見てきて、それが何時しか爆発してしまうのではないかと。

心配しても、ナルトは変わる事無く成長をし、けれど母親は心配が尽きない。


全く恋愛の話にならない事も、遊び歩く事も反抗期すら余り無かった事

心配していたものは、箍が外れ一気に出てしまうのではないのだろうか。

『夜遊びするなら最初から帰って来てないってばよ』

ずるずるっとだらし無くソファーに腰掛けるナルト。

「私はただナルトが心配で・・・」

『心配するような事してないってばよ。あるとすれば数学だけだって。』

俯き声の下がったクシナのそれは、本当に心配をしているもので

ナルトにだって分かっている。

「反抗期は殆ど無かったし、余り遊びだってしなかったってばね。」

本来ならするのが普通なのに。

もっと言うならナルトの性格からしてそうなってるのが普通だと思っていた。


『課題やんねぇと口煩せぇ教師なんだ。てか週末遊んでんじゃん!』

この前だって朝から夕方まで、キバ達とボーリングや買い物をして楽しんで来た。

『週末で充分じゃね?部活してる奴とかそうだってばよ?』

「ナルトは足りないってば!昔から我慢してたってばね!」

確かに我慢はしたが、それは目標があり見返してやりたかったから。

『なら母ちゃんは俺が夜遊びして成績下がっればいいって?』

「何言ってるってばね、成績下げないで遊ぶのが常識だってばねっ!」

ほらやっぱり。ナルトはけらけら笑った。

なら自分は普通なんだと感じる。

「その歳なら彼女の二人ぐらい出来ててもいいってばね!」

『え、無理。』

ドン引きするナルトにクシナはぽかんとしてしまう。

どう考えたって、愛息子はモテる容姿をしているのに。

「どうして無理なのよ」

『だってさー、毎日ほぼ課題だから絶対無理じゃね?』

相手が。と言葉を足すと納得出来たようなそうでも無いような。

『そりゃ告白されっけど、それ言うと案外あっさり引いていくから、そんなもんなんだなって思っちまうし。』

俺には理解出来ねぇ。ごろんと寝転がって天井を眺める。

「それがさっきの話に戻るってばね。」

『あー?』

どこに戻んの?尋ねるとクシナは手を洗う。

「数学がまた良くなったら、彼女が出来て遊んで夜遊びにもなるんじゃないかって。」

『あー、ならねぇよ、それ。』

どうして?と言いたげなな表情を向け、ナルトは嫌そうな顔を浮かべる。

『サスケをぶち負かしてねぇもん。』

「忘れてるかとおもってた」

忘れてた。意外そうな顔をするクシナに告げたらくすくす笑う。

「あんなにサスケをぶち負かしやるー、って言ってたのに言わなくなったじゃない。」

『それが不思議なんだよ。』

どうして忘れたのかがナルトには解らない所。

「あー、やっぱりあれかしら、そう言ってる時期に台風が来て、ナルトってば庭に出て風速を感じてみるって言ってたのよ。」


『はぁ?!』

それこそ知らないから!言いかけた口は直ぐにクシナが重ねる。

「強風だって言うのに出て、隣のサイクルハウスが飛んできて頭に直撃したってばね。」

『何か、それで記憶が一部欠落してるって?』

「今のも覚えて無かったらそうだってばね。」

あんな出来事忘れる筈が無いのだから。

ましてや小学六年生となれば。そう言うのは覚えていそうなもの。

「しかも木材は脚に当たるし、ビニールシートは被るし、忘れられない記憶だってばね」

『・・・知らねぇ』

全く出て来ない記憶に、やはりそうなんだと認めざるを得なかった。


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あきゅろす。
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