NARUTO
家庭教師2 R18(サスナル)
あの日から数日後、ナルトは机に突っ伏す。
毎年気が滅入ってしまう中間テストがあるからだった。
なんせ彼は中学時代に数学がトラウマになり、解答用紙は平均点以下。
それ以外の教科はほぼ満点に近いと言う成績に、数学教師からすれば面白くも無い結果。
そしてどうしてか両親が隠し事をしているような行動を取り始めている事に、ナルトは不信感が募ってしまう。
互に急がしいけれど、新婚夫婦な二人がどうも変なのは見ていても分かってしまう。
「落ち込んでても始まらねぇって、ナルト!」
『…頑張れ、化学と英語』
からから笑いながら励ますキバに、こんなに明るい相手を横目で見て、一気に留め刺をくらわせてやったナルト。
「言うなあああっ!」
『明るいから余裕だと思ったんだよ』
余裕じゃねぇ!キバは頭を抱えながら声をあげる。
「くよくよしてたって仕方ねぇじゃん」
『化学と英語ってアスマと紅先生だからそうしていられんだって。』
数学エビスだぞ。それにはキバも溜息が零れる。
『まだ優しい二人だだからマシじゃね?キバもエビスの補習とか受けて見れば解るから。』
お断りだ!生徒の間でエビスの補習を受けたがらない者は多い。
それだけ嫌味で人を見下した態度が受け入れられる訳も無く
点数の良い生徒にはそうしない、典型的な教師。
その中で一番出来の悪いのがナルトであり、ある意味救われている生徒もいる。
『取り敢えず時間あったら問題作って来るから頑張れ』
「ナッ、ナルトーッ!!」
がしっ、と歓喜して抱き着くキバ。
ナルトはただはいはい、と言った感じでそれを受け入れる。
キバとの付き合いは高校からではなく、受験した中学校からの同級生であり、一番親しい友人。
彼の明るさや、曲がったのを嫌う性格やら人には好かれやすい。
似た者同士が親しくなるのには時間はかからなかった。
「ナルトの解りやすくて好きなんだよ」
『後はそれをお互に活かせれるかなんだって』
自分でもそうなのを理解しているからこそ、キバの事を励まし教える事が出来る。
「つーかナルトには家庭教師いるからいいじゃん」
『あー・・・まあ、うん』
言葉を濁したのは、確かに論文が落ち着いたからまた家庭教師をする事となったが
どうもサスケの教え方が変わってしまっていて、思い出すだけで頬が熱くなってしまう。
「問題でもあんのか?」
『いや、なんつーか・・・色々』
今日も家庭教師としてサスケが家に来る。
ナルトは静かに溜息を零した。
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