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NARUTO
十二

サッカーの決勝戦はナルトのクラスが勝ち取った。

やはりキバとの連携と、二人の柔軟なる運動神経の良さがそうさせた。

仲間達もそれをわかっていて、とにかく優秀を勝ち取りたいだけの目標があり

普段余り発揮しない連携プレイを出してナルトに構う。

『・・・ハード過ぎる』

サッカーで動いた身体は疲労を感じ、次はバスケの試合をしなければならない。

昼が終わればバレーとバスケの試合。

終わればサスケの家。


頭も身体も疲れる一日だ。ナルトは雲を眺めて溜息を零す。

「すみませーん!」

『・・・あー?』

女性から声がかかり顔だけ振り向くと私服を来た二人組。

「あの、自動販売機って近くにありますか?」

「中々見当たらなくて・・・あそこは規制が入ってて。」

校舎には入れるがある程度規制がかかっている。

知らない者からすれば自販機を探すのは大変で、ここからだと総合グランドしかない。

『何飲むんだ?』

「え、あの・・・っ」

頬を赤らめる二人に首を傾げるが、ナンパしている風だったか?と思い言い直す。

『あるとしたら総合グランドだし、俺が買ってきた方が早いだろ』

「いいんですか?」

上目で見上げてくる女性に、倒れたら困るし。と淡々とした声で返す。


お金を受け取り二人の飲み物を買って戻ると、やはり頬を朱めてた二人。

背を向け体育館へ向かう背中を二人はぽーっとした顔で眺める。

「「かっこいい・・・っ」」

ペットボトルをぎゅっと握り締めて見惚れていた。


体育館へ着くとクラス待機の一番後ろでくたりと横になる。

流石に太陽の陽射しが強いと、体力は奪われ疲れも蓄積されてしまう。

「渦巻君!」

『――・・・んー?』

クラスの女子がしゃがんで目の前にお菓子を差し出した。

「疲れたよね。」
「甘いの食べて!」
「あと塩キャラメルもー!」

甘いものと塩分補給のキャラメルや飴を貰い、ふにゃりと笑む。

『サンキューな。』

「かっ、かわ・・・っ!」

「馬鹿、ダメよ!」

「どういたしましてー」

可愛い、と言いそうになってしまう女子。

ナルトは塩飴を口に入れて、腕で顔を隠し瞼を閉じた。


甘しょっぱい飴を口の中でころころ転がしながら、頭の片隅に出て来たものがあった。

『・・・・・・っ』

忌ま忌ましい記憶の一部。

あんなのがあったからだと内心で舌打ちをして、頭の中でそれを蹴り飛ばす。


─ほら、こうしたら分かるだろう?

本当に忌ま忌ましい。

─ナルト、ほらどうしたんだい?

『・・・くそが!』

起き上がってタオルを取って手洗い場へ向かった。


『――・・・気持ちわりぃ』

項をゴシゴシ擦って顔を洗う。

嫌で嫌でたまらない。


顔を歪めて落ちる水滴を黙って見つめた。



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