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NARUTO
十(一部カップル行為)

ナルトに気圧されて戦意消失してしまう対戦相手達。

ナルトにボールが渡っただけで身体を縮こまる者もいたり、身体を固まらせたり。

『はっ、男のくせにこんなのでビクつくとはなぁ・・・』


「おっ、お前鬼畜か!」

「外道っ!」

構えながらも悪態つく相手を一瞥して、ナルトはくすりと笑う。

サッカーの時といい、今といいナルトの表情は妖艶さがあった。

『――・・・叩き潰してやる』

ぼそりと呟いた言葉に相手は身体をすくませてしまう。

サーブを打つナルトは軽く跳ねてそれを打った。

「・・・・・・は?」

「・・・まじか」

きっと勢い良くくると考えていた彼等からすれば、至って普通の速度で反応が遅れてしまい点が入った。

『あのクラスあんな遅い球こわいんだってー』

笑っちゃうわー、とからから笑いからかう。

「え、えげつねぇ・・・」

「まじドS過ぎなんですけど・・・」

「なにあの言葉の鞭・・・っ」

ホイッスルが鳴り試合が終わるれば、がっくしと肩を落とす対戦相手。

当然ナルト達のクラスは盛り上がる。


『後バスケか・・・』

だりぃ、とまたシャツで口元を拭うと女子達が騒ぐ。

それをもう一組の試合のだと勘違いをする。

『キバー、シャツ出して』

「出してんよ。随分汗かいたな。」

シャツを受け取りナルトは気にした様子も無く脱ぎはじめると、背中を叩かれた。

『いぃってぇっ!』

何すんだキバ!怒りながら振り向くと、ナルトはきょとんとしてしまう。

「お前が露出狂だったとはな。」

『・・・何でサスケがいんだよ』

どくん。と強く叩く胸を気付かないふりをして。

ああ、あの人此処の生徒だったのか。と頭の中で考える。

自分より高い身長で見下ろして来る彼に、ナルトはそれしか言えなかった。


「馬鹿か、お前」

『じゃあ何だってよ。馬鹿でも分かるように簡潔に言えばいいだけだろ。』

あんなんで分かるか。そっぽを向くと、視線が集まっているのに気付いた。


どこから見ても格好良い男がいればそうなるのは、ナルトだって知っている。

昔から人を引き付けるサスケを見て来ているから。


「之が終わったら家に来い。」

『は?何で行かなきゃなん・・・いてぇって!』

まったく解らなくて、額から流れて来る汗をシャツで拭こうと持ち上げたら、また叩かれる。

睨みあげると顔に影ができた。

「お前はタオルも用意してないのか」

『買ってきたっつーの!』

こん畜生、と思いながらもそのタオルで顔を拭いた。

「いいから来い」

『・・・分かったってばよ』

むすっとした顔で返すとサスケは体育館を後にした。

「ナルト、今の団扇さんだろ?」

『・・・終わったら来いってよ。』

タオルを首にかけてシャツをまた脱ごうとしたが、キバに止められた。

なんだ、と目で語りかけるとトイレでやって来るよう言われる。

『シャツ替えるぐらいでよ・・・』

何でトイレでやらなきゃならないんだ。
女じゃあるまいし、意味解んねぇ。

トイレの個室で青のシャツを着てバックへ入れた。

鍵を外したら何故か女の声がして止まる。

「ねぇ、本当に大丈夫なの?」

「心配ねーって、誰も入ってねえじゃん。それに此処薄暗いから人こねえの。」

俺がいますけど!?
突っ込みたくなったが、二人は個室へ入り鍵をかけた。

『・・・・・・。』

まてまてまてまて!

冷や汗が背中から出て来て、まさかな状況なのかと焦り辺りをきょろきょろしてしまう。

そういている間に服の衣擦れの音と、生々しい音が響いてくる。

「ふ、うん・・・あっ、ねぇ・・・ちゃんと、してよぉ・・・っ」

「ここだろ?もう起ってんじゃん」

「もう、遊ばないでよ・・・んっ!」

自然とナルトは両頬に手をやって、名画作品のような動作をとってしまう。

何とかして出ないとヤバい。

「あ、やぁん・・・そこ、はやいよぉ・・・っ」

「ん?の割にはここ凄くね?」

「あ・・・っ!や、あぁ・・・きもち・・・っ」

『・・・・・・っ!』

聞こえてきた水音と、女の嬌声にどうしていいのか解らず耳を塞ぐ。

エスカレートしていくカップルに、ナルトはゆっくりとドアを開いた。

耳を塞ぎながら、音を立てずに出入口に近付く。

あんなデカイ声だしてたら来た事わかんのかよ。

早く出たくて取っ手を掴み、出る事ができた。

『・・・はぁ。』

壁に寄り掛かって深呼吸して俯く。

自分がそう言う類に興味を示さないのは知っている。

あんなのを聞いても反応しない下半身を、眺めた。

『不能、なんだろうか』

中学時代そう言う話題になった時、性への話題になった。

周りは盛り上がる中、ナルト一人だけが興味を示さなかった。

高校一年の時初めて精通をしたが、自慰の回数は少ない方だと思っているナルト。

とにかくそう言うのが無い。

『――・・・最悪』

「何がだウスラトンカチ」

立ち上がろうとした時、頭上からかかった声に驚き肩を震わせ見上げた。

見下ろすサスケの目が片方だけ眇められる。

「目の下赤いな」

『・・・は?』

意外な言葉に目を丸くするが、ナルトは眉根を寄せる。

するとサスケはあろう事かトイレに入ろうとして手を伸ばし慌てるナルト。

『ちょ、だめ・・・っ』

「手汚れたんだよ」

『いま、だめ・・・っ!』

ぎゅーっと腕にしがみついて止めようとするナルト。

必死過ぎて頬が赤い。

「洗うだけで何言って・・・」

片手を伸ばしてドアを少し開けて耳に届いた女の声。

サスケは舌打ちをして不愉快な空気を出して、眉根に深いシワをつくった。

『な、なんで開け・・・っ』

「最悪はこれか」

冷たさを放つサスケの声にナルトは首だけ頷いた。




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