[携帯モード] [URL送信]

NARUTO


ぎしりとなる椅子と、全く動かないナルト。

「お前何処から分からねんだ」

『・・・今やってる所』

理解するまでが遅くて、それでも努力を重ねてやってきたが

学年が上がれば内容はもっと難しくもなり、ひねった問題ばかり。

それ意外の教科と来たら目を疑ってしまう程、出来は良く成績上位だと言うのを。

「数学だけわるいってのも変わった奴だな。」

『知るか。ごちゃごちゃし過ぎなんだよ』

起き上がって用紙を眺めてペンを回す。

黙って考えているとそれはすらすら進む。

「理解はしてるみたいだが」

『てか普通にサスケのが易しいだけだってば』

普通そこからだろ。
呆れ顔で返されてしまうが、苦手なものは苦手。

いつから躓くようになったのか


記憶は朧げで、不確かで

計算だけが速い理由も良く思い出せない。


ただあったのは


どうしてか、悔しがる姿しか出て来なかった。

どうして悔しかったのか、全く分からない。

幼い頃の記憶はあったりなかったり

総てを覚えていてはくれなくて、不思議と誰かに言われたら思い出したり。

そんなループを繰り返す。






『あー・・・旅に出てえ』

「まーだ言ってんのかよ。」

通路を挟んだ隣の席に座るキバが椅子を傾けさせながら呆れ顔で返す。

『なんだよ、これ』

「数学克服プリントだな。」

ふて腐れた顔で手渡された物を睨みつける。

よう作るよなー。暢気な声で告げる彼の声。

「まあ、数学だけ点数悪いってのが気に入らねえのかもな」

『面倒くせえ・・・っ』

そんな理由ならば本当に嫌で仕方がない。
机に突っ伏してプリントを眺めた。

「でも家庭教師いんだから大丈夫だろ」

『おまえ、少し黙れ』

八つ当たりか!とけたけた笑うキバが憎たらしくて膨ら脛を蹴った。

「まじ八つ当たりかよー・・・」

『八つ当たりだな。』

恨めしげに睨むキバにナルトは鼻で笑った。

『精々頑張れ、化学の補習。』

「言うなあああっ!」

両手で頭を抱えて叫ぶ彼は化学が苦手。

今度はナルトがけたけた笑った。

『あ、犬塚君は英語もあったね!』

「うおおおおっ!」

思い出したくねぇ!と二段構えで告げてやれば、キバは消沈した。

勝った。

そんな下らない事でどや顔を浮かべて笑う。


『・・・・・・。』

渡されたプリントを見て、これはサスケに見せるべきなのか考えてしまった。

何を言われるか分かったもんじゃない。

昨日も馬鹿だのウスラトンカチだの言われ

脳みその退化だの散々けなされた。

『・・・ちっ。エビスめ』

厭味ったらしいのがサスケとそっくりだ。

優秀な生徒は贔屓にして、ダメな生徒を見下す嫌な数学教師。

去年は違ったが、今年は運が悪く当たってしまった。

数学なんて、大嫌いだ。




[前へ][次へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!