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NARUTO
家庭教師(サスナル)

返された答案用紙を見て漠然としている一人の生徒。

そこに明るい声が頭上から届く。

「なーに落ち込んでんだよ、ナルト」

『キバ、何点だったよ』

あ?と首を捻るが直ぐに分かり腰に手を当てブイサインを作りにかっ、と笑う。

「75点だ!」

『不正したろ!』

実力だ!頭をばしんと叩くキバ。ナルトは深いため息を吐いて立ち上がる。

『俺、今から旅に出る』

「はぁ!?」

突然意味の分からない事を言い出すナルト。

キバは目を驚かせて肩を掴む。

「どうしたんだよ一体!テストの点数悪かったからって!」

どうして旅につながるんだ。

誰だってそう思う事だが、ナルトからすれば一大事でしかなかった。

『か、母ちゃんが・・・』

「ナルトの母ちゃんがどうしたよ?」

俯き呟いたナルトの声は感情を一切含まれていない。

『テストの点数悪かったら家庭教師つけるって』

「まじかよ!?」

額に手を当てて顔を天井に向けるキバ。

ナルトの背中は丸まり、悲愴の空気がうようよ漂う。

『しかも相手が・・・あー嫌だ!』

「もう決まってたのか?!」

はやくね?そういいたげな彼を横目でちらりと見て、また深いため息を零す。

『ーー・・・サスケ』

「はぁー!?」

それには流石にキバも驚きの声を発してしまう。

「マジかよ?」

『だから旅に出たいんだ。』

団扇サスケ

現在大学二年生にしてナルトの通う高校の先輩。

キバが知っているのは、姉が同級生だったからなのと他にも彼はとにかく特質だったから。

「確か向かいの兄ちゃんってのがそうだろ?」

『苦手だ・・・』

しゃがみ込み頭を抱えるナルトの姿はもう暗く影でも背負っているかのようだった。


「まあ、とにかくがんばれ?」

『人事だからキバはいいよな。』

全くその通り。引き攣らせた笑顔を浮かべるキバ。








嫌いだ。

サスケなんか嫌い。

いつも馬鹿にして、見下して。

何でも出来て
何でも持ってる。











「馬鹿だろ、お前」

『・・・はぁ』

テストの答案を貯めていた母親のせいで、数学の悪さを指摘され馬鹿にされる。

分かってはいたが、ため息しか出て来なかった。

「良く進級出来たもんだ、その頭で」

『うっせぇ』

あーむかつく。頭の中でサスケをげしげし蹴るナルト。

「うるせぇな。お前自分の頭の悪さ理解してねえのかよ」

皮肉な笑みと言葉を浮かべるサスケに、ナルトはただ眉根を寄せた。

「簡単なの作ったからやってみろ、20分でな。」

『・・・はいはい。』

わかるかボケ。用紙を渡されじっとそれを眺めると奥歯を噛み締めサスケを睨んだ。

『四則混合分数って、小学問題だろうが!』

「わかんのか?」

馬鹿にした笑みを浮かばせ見上げる彼に、ナルトは口端を引き攣らせる。

どこまで人をからかい馬鹿にすればいいんだ、と頭で愚痴を零しながら問題にペンを入れる。

略式で答えだけをかいていき、10門を三分たらずで終わらせた。

『ほら、出来た。』

「おまえ変わってねえんだな、計算速いのは。」

ずっと見ていたサスケはふっと口元を緩めて笑んだ。

『知るかってんだ。』

「ならこれな」

また渡されたのは数式の羅列やグラフ。

ナルトは目を見開かせてかたまった。


「さっきの勢いはどうした」

『・・・わかんねえ』

ごん、と机に額を打ち付けうなだれる。

頭上からはサスケの溜息が聞こえた。




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