[携帯モード] [URL送信]

NARUTO
瞳の奥に映るのは R18(カカナル)

何度も身体を重ね合って

何度も虚しさを感じるようになったのは何時からだっただろうか。


大好き。
大好きなのに






卑猥な音と掠れた高い声が部屋の中で残響する。

『あ…んんっ、う、ん』

「…ナルト」

強く瞑った瞼に唇を落として、頬から耳元までするりと撫であげられる。


それでもナルトの瞼は開かない。何時から硬く瞑るようになっただろうか。


「ナルト、目、開けてよ」


『い、やだ…てば…ああっ!』

優しく言われたそれに反抗すると、両方の乳首を摘まれ腰を強く突かれる。

強い快感に背中を反らせ脚を震わせても、開こうとしない瞼はまるで何かを拒もうとしていた。






「ねえ、なんで目閉じちゃうのよ」

『…どうしてか、知りたい?』

情事が終わって少したってから、カカシは尋ねる。

ちらりと彼の方を向いて尋ね返すと、頭を撫でられた。


嬉しいのに、空しい。

『なあ、先生はさ…その目に何が映ってるってば?』


「ん?そんなのナルトしかいないでしょ。」

にこりとするカカシの笑みに、大きく青い綺麗な瞳は彼を見上げる。


『……嘘つき』

「ちょっと、どうしたのさ」

彼を見る瞳は何時もと違い、怒りと悲しみを含んでいるのに気付き、抱きしめようとした。

『俺じゃない、カカシ先生は俺をただ重ねてるだけだってばよ』


「…ナルト、何言ってるのさ?」

手を払い立ち上がり、カカシの胸元にとんと指先をつける。


『俺は、父ちゃんじゃないってば。』

「……っ!」

驚きで瞳を揺らして言葉を詰まらせる。

ああやっぱり。ナルトは自嘲な笑みを浮かべた。


『だからもう、終わらせるってば。』

「ナルト、それは違う!」

何が違う。どれだけ空しかっただろうか。

惨めで、苦しかった。

『何が違うって?事実だってば。』

溢れ出そうな涙を堪えて震える声で言葉にした。


好きで好きで堪らないのに、相手は自分の目の奥にいる父親を見ているんだと気付いた。


「ナルト!ちょっと話し聞きけ!」

『…っ!』

荒げた声と強引に引かれた腕は、そのままカカシの胸の中に収まり強く抱きしめられた。


『やだ、はな、離せってば!』

「誰が離すか」

『やだって、や…ぐっ!』

じたばた暴れるナルトをカカシは脚払いをして床へ押し倒す。

また暴れ出すナルトにカカシは関節を押さえて動きを封じた。


「ナルト、良く聞いて」

『聞きたくないってば!』

溜まらず涙を零して怒鳴りつけた。

『なんで、なんで…っ』

「どうしてそう思ったの?」

決して怒らず、優しい声で尋ね涙を唇で吸い取るカカシ。

何処でどうそうなったのか、彼は知りたかった。




[前へ][次へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!