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NARUTO



生徒会雑用をやってからナルトは良く働き、動いてくれている。


サスケも部活に出るようになり、イノも時々華道部の方へ顔を出すようになった。


『会長、出来た。』


「あぁ、置いといてくれ」


ホッチキスで留めた書類を未読箱に入れて、シカマルが終えた書類を取りファイルに挟んでいった。


意見書を眺めナルトは一枚ずつ記入していく。


部活の要請だったり、食堂のメニュー案や委員会の活動意見など様々なのが毎日届く。


良く毎日やっていたな、とナルトはつくづく感じてしまうがそれを出来たのは生徒会長であるシカマルの能力の強さだとも思っている。


それぞれ役割能力はあるが、全て秀でているのがシカマルだった。


ちら、と彼を見ると眉根を寄せてこめかみを掻いているのに気付き立ち上がった。

ナルトは彼の癖に気付き、キッチンへ向かいお茶を淹れ始める。


集中力が切れたりすると、そうなる事に気付いたのはいつからだっただろうか。


『会長、お茶煎れたから休憩しよう。』


「──・・・あ?あぁ、わりぃな。」


読んでいた書類を置いてソファーへ来ると、シカマルはネクタイを緩める。


「春野は?」


『サクラちゃんは今印刷しに行ってる。』


テーブルにお茶を置いてナルトは窓を開けた。


緩やかな風が入り込み、目を細める。


その風に乗ってナルトからする甘い花のような香りがシカマルにも届いた。


『あ、サスケがいた。』


サッカーユニフォームを着て試合をしている姿。


最近出るようになって女子のギャラリーが増えているのを見て、くすくす笑う。


が、その通路を挟んだ陸上トラックにキバの姿があった。


『・・・ぶっ!キバってばバー顔面に当たって・・・ははははっ!』


マットの上でうずくまっているキバの姿に、あしたからかってやろうと考えた。

「あいつ短距離とかじゃなかったのか?」


ナルトの背後から外を見て話すシカマル。


『息抜きで他の競技やるって言ってた』


「ふぅん、絡まったな」


窓枠に手をつけ肩同士がくっついたまま眺める。


ナルトはキバを見てくすくすわらっていた。

近づけば近付く程甘い香りは強まる。


「香水、つけてんの?」


『香水?俺嫌い。』


少しだけ後ろを向いて身長差で上目になりながら応える。


ふぅん、と鼻で返事をすると項に鼻先を近付けた。


「甘い匂い、すんのな」


『うわぁっ!』

吐息でぞくりとして驚き、膝がかくんと曲がった。


当たったそこに手をあててシカマルを見上げれば、首を傾げてナルトを見ている。

「どうした?」


『くっ、くすぐった・・・っ』


平然としている姿に恥ずかしくなってしまったナルトは、かあと頬を染めた。



「ああ、くすぐったかったのか」


『いや、吃驚・・・ん?いやいや両方っ!』


「は、両方かよ」


何時も無表情か面倒そうな表情しかみた事が無いナルトは


くくっと肩を揺らして笑い、ナルトを流し見た彼の目は、完全に面白がっている。


『ここはくすぐったいってば・・・』


項を摩って立ち上がると背伸びをした。


『俺昔から何か匂いするみたいで、自分じゃ全く解んねえの。』


言われても何も感じない体臭に、臭く無いだけマシだとけたけた笑う。


腕の匂いを嗅いでも無臭で柔軟剤の匂いしかしない。


頭を振ればシャンプーの匂い。


『会長は香水つけてる?』


「・・・まあな。」


今は余りしないだろ。シカマルも自分の制服の匂い嗅いだ。


ウッド系の男女問わずにつけられる香水ではあるが、ふわりと甘い香りがした。


「──・・・は?」


『あー、これ好きかも』

くん、と胸元に顔を近付けて匂いを吸い込むと、とくり。胸が違う動きをした。


『でもこれ・・・んん?』


ワイシャツを掴んでくんくん匂いを嗅ぐナルトに、シカマルは頭を軽く叩いた。


「そんなにいいかよ」


『──・・・うわっ!ごめんっ!』


我に返って離れて両手を合わせて頭を下げる。


「それ、女にしたら殴られるぞ」


『うん、しないけど気をつける』


あははと笑いナルトは仕事を開始した。




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