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NARUTO



イノは二人の会話をじっ、と眺めていた。


「シカマル、私キバ見てくるわ」


「おー」


『キバもいるんですか?』


まぁな、とかえされアイツも荷物持ちだ、と苦笑した。


『奈良先輩ようじある?』


「いや、なんもねぇよ」


どうしたよ、と聞かれるとナルトは気恥ずかしい気持ちになってしまった。


さっきまではあんなに気持ちが変だったのが、今ではいつも通りに戻っている事に。


『先輩、たべてく?』


「いいのか?」


へいき、と笑って返せばシカマルはそうすると返した。


その返答に内心ナルトは嬉しくて頬が緩みそうになった。










「キバ!あんたまだみてたの?」


「赤丸のオヤツは変わるからな」


ペットコーナの犬用品を眺めていたキバは立ち上がる。


「終わったのか?」


「ナルト君いたわよ」


マジか!とキバは駆け付けようとしたが止められてしまった。


「何だよイノ!」


「あんた・・・気付いてるんでしょ」


意外な言葉を言われキバの表情は固まる。

それを見てイノは確信すると口元を笑わせた。


「あのシカマルが今度食べさせてっていったのよ?」

これは間違いない、と握り締めていた拳を更に強く握り、表情は嬉々としていた。


「言うなよ、特にナルトには。」


「言わないから白状しなさいよ!」


べしり、とキバの背中を叩くイノの表情は彼から見れば引いてしまうものがある程綻んでいた。


「ナルトは見た目いいし、中身だっていいんだよ。」


けどよ、と告げた時の声は暗い。


「アイツどっかネジ抜けてんだ。」


「何処がよ」


そう見えなかったわよ、と言えば直ぐにわかるか、と返すキバ。


「最初は消しゴムで次はシャーペン、ボールペンって無くなって、それを落としただの忘れただの・・・」


「それって盗まれたなの?」


そうだよ、と不機嫌な声で返し商品を選ぶキバ。


「アイツ直ぐに仕舞うからそれしかねぇし、体育終わった後にTシャツ盗まれてんだよ。」


「それ危ないじゃない!」


流石にイノも心配になってしまった。


「だからシカマルに話したんだ。」


「それは賢明な判断だわ」


キバの眉間は深いシワを作り溜息をはく。


「したらシカマルの奴・・・無言の怒り出すもんだからあれには正直者ビビった。」


「それ、もうシカマルはナルト君に惚れてたんじゃない?」


らしいな。だから怖かった。

思い出して身震いするが、続けた。


「そんでナルトが一回電子辞書忘れてアスマに拳骨されたんだよ。

けど結局カバンの底にあったんだけど、シカマルがさ・・・」


言いにくそうにしている姿を見て、イノは続きを促す。


「なら電子辞書使うとき隠して来させろってなって、こうなってんだ。」


「それって便乗よね」


そうだ。キバは溜息をつく。

本当にハラハラしたし、下駄箱に入れるのもそうだった、と。


「なかなか接点無いものね、アンタ部活あるし。」


苦笑を浮かべるキバだが、この前の事も告げるとイノは黙った。


「ある意味危ないわよね、ナルト君。」


「そうなんだって!普通なら何かこう・・・変だって思う所だろ?!」


次から次へと無くなる私物を、たいして気にしていないナルト。


「早くくっつけばいいんだけどねぇ」


「アイツ鈍感で天然だからな・・・」


どうなる事か、と思うがやはり幼なじみの変化を嬉しく感じているキバ。


たとえ同性だろうとも、あの面倒臭がりやのシカマルがそうならないで動いているのが。


「もしかしたらナルト君の家にご飯誘われても断りなさいよ」


「なんでだよ!」


くいてぇ!といったが、足を踏み付けられた。


「馬鹿ね、二人きりにさせなきゃ駄目じゃない。」


「あー・・・はいはい。」


そうでしたね、と呟き商品を手に取った。


「そんじゃ行きますか。」


「そうね。」


二人はシカマル達の方へと足を向けた。




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あきゅろす。
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