NARUTO 参 コロコロ変わるナルトの表情に、シカマルは優しく笑んで頭に手をおいた。 『・・・先輩?』 「そんなもんいくらでも出来るし、大丈夫だ。」 その笑みを無意識にじっとみていたら、シカマルはどうした、と首を傾げ問い掛けナルトは慌てた。 『先輩ってモテてそう。』 「な訳あるか」 困った顔で笑うが、あると思う。ナルトはそう感じてならない。 今日初めて会話をして一緒に帰っているが 異性からすればくすぐられるものがある、と感じた。 黙っていても恰好よく 話せば声は低く甘みがあり 長身でスタイルも良く モテない筈がないと。 「こっち?」 『うん、あの和風の家。』 分かれ道で立ち止まりナルトは指を差した方には日本家屋。 「ふぅん、似てんな俺の所と。」 『本当?』 家が似ている事に何だか嬉しい気持ちになってしまう。 「ここいらにゃ日本家屋って全く無いからな。」 『父ちゃんと爺ちゃんが日本家屋がいいって、建てたんです。』 「じゃあもう引っ越ししなくていいんだ」 『ううん。今俺だけ住んでるんです。』 違った解答にナルトを見れば、にこりとした笑みを向けた。 『海外出張や取材や旅やらって・・・でも結局やっぱ日本がいいですね。』 あちこち回った事はいい経験をくれたが、それでも日本が良くて家を建てた。 ナルトが成人し、社会に出たからと言って海外赴任になるとは限らず 大人の都合で振り回し、友人らしい友人を作らせてあげれなかった事を両親や祖父は気にしていた。 「近いのに会わなかったのが不思議だな」 『確かにそうかも・・・でも俺出るの遅いからかな。』 「遅刻ギリギリとかあるんだろ?」 キバめ!と今は居ない相手を恨みながら恥ずかしくもあった。 明日とっちめてやる。 [前へ][次へ] [戻る] |