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NARUTO
十三

あの後、両親にも会わせ抱かせるとヨシノは嬉し涙を流し、シカクもうっすらと涙を浮かべる。


「ついにお前も一人前の親だ。しっかりやれよ」


「あぁ。」


すやすや眠る愛おしい子供達に、二人からの最初の愛でもある名前がまだない。


もっと言うなら、性別も聞かずに考えなかった。


姿を見て、共に考えたくて。


朝方になると、ナルトは目を覚ました。いや、痛みで起きてしまった。


胸の張と、後陣痛やら身体の痛みに。


『あれ・・・力が入らない・・・』


腹筋が全くきかなくて、足腰に力が入らない。


『──・・・赤ちゃん』

赤ちゃんは何処に居るのだろうか。シカマルも何処にいるんだろうか


『いててててて・・・っ』

ベッドから降りようとしたりら、力が入らず前屈みになる。

そして中心部からは出血しているのが分かり、じんじんと痛む。


『あちこち痛い・・・』


病室のドアを開こうと手を伸ばしたらそれは開いた。


『・・・・・・?』


「おはよう、ナルト。」

シカマルが立っていて、ナルトは見上げると視界が滲む。


「おいおい、いきなり泣き出すのかよ」


『・・・っ、シカマル・・・っ』


困ったように笑うシカマルに、ナルトは抱き着いた。

立っているのが辛いだろうと、シカマルは抱き上げる。

「チビ達は今風呂入ってから来るってよ。」


『そっか・・・なぁ、シカマル』


「なんだ?」


ナルトを横に抱いたままベッドに座ると、またぎゅっ、と抱き着いた。


『おれ、こんなに幸せでいいのかな』


「当たり前だ、お前は俺が一生幸せにする。」


勿論チビ達も幸せにする。


『ただ、俺が元の姿に戻ったら・・・嫌がらないかな』


「ならねぇよ、なる筈がねぇ。」


だから安心しな、と額同士がくっついた。


二人でくっついているとノックが鳴り、現れたのは待ち望んでいた双子。


「それでは今から母乳が出るように赤ちゃん達に吸ってもらいます。」


けれど最初ははりを解しながら母乳を出します。

パンパンに張ってしまった胸に、看護師の手が触れ、解される。


「最初の方は味が悪いので、途中から飲ませましょうね。」


『い、いたい・・・』


いい具合になると、一人目の授乳を初め、張っている部分を解すよう言われた。


最初は上手く吸えなかったが、こつをつかみ今は上手に飲む。


けれどナルトは気付く


『同時に欲しがったらどうするんだろう・・・』


やはり同時に片方ずつ平等に吸わせるのだろうか


『・・・うおっ!』

「こんなに差があるんだな」


両方の胸を触って違いを確かめると、シカマルは納得する。けれどナルトは驚きと恥ずかしさで顔を赤くする。


「ナルトが戻っても問題がなかったらな
・・・」


『シカマル、何いきなり』


胸に触れる手がいやらしく動く。


「んなもん言わなくても分かるだろ」


『うぅ・・・っ』


かれこれどれだけ身体を重ねていないだろうか。出産後は1ヶ月も出来ない。


シカマルは、ナルトとぐちゃぐちゃになる程抱き合うのを好み、それを我慢しての行為は辛いものがあった。


変化して母乳に問題がなければ、とシカマルは思う。けれど間違いなく身体は辛いであろう事を。







「うーわ、シカマルにそっくり」


イノがシカマルに似た長男のヨリを抱き、サクラがナルトに似たチカを抱く。


寄り添いあい、共に力と知恵を出して困難に乗り越えて欲しいと願い、ヨリとチカにした。


「この子間違いなくシカマル似よ。」


「こっちは間違いなくナルト似ね。」


『そんなのまだ分からないってばよ』


だってねぇ、と声を揃える。


「なんとなくよ」


と二人の声が揃った。

これから賑やかな生活になるであろう事を想像しながら眠る二人の手を握った。




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