NARUTO
十
安定期が入ってもお腹もおおきくなり、けれど体調不良が続く日もあるが、元気に振る舞う。
それでも双子の命は元気に育ち、お腹も大きくなっていた。
『あでででででっ!』
「ナルトどうした!?」
庭を散歩していた時、腹部がギューっと締め付けられる感覚になり、うずくまる。
シカマルはしゃがみこみ様子を伺うが、直ぐにナルトの表情が戻った。
『・・・腹が張るってこれか』
「はる?」
『うん。サクラちゃんと本を読んでたら見付けたんだ。大きくなると子宮が張ったり、足の付け根が吊るんだって。』
以前サクラと読んだマタニティブックを読んでいたのを思いだし、伝えるとシカマルは納得する。
『心配ばっかりかけさせて、ごめん・・・』
「お前はこれを期に、甘える事に慣れろ。」
然り気無く腰に手を回すシカマルに、ナルトは恥ずかしく感じる。
シカマルは何時も然り気無い優しさが、ナルトの胸をときめかせてしまうのを、気付いているのだろうかと思う時がある。
いつも自然でいて、その度に胸がきゅんとなってしまう。
「どうした?」
『シカマルは、本当に格好いいってばよ』
ぽつりと出てしまった言葉に、ナルトはかぁ、と真っ赤になった。
「それはまた、嬉しい言葉だな」
『い、いいいいっ、今のは忘れ、忘れろ!』
両手を前に出して左右に振りながら後ずさる。けれどシカマルはわざと大股で近付く。
「思い切り抱きたいの我慢すんのも辛いんだぞ」
『なっ!何いって・・・っ!!』
茹でタコのように真っ赤になるナルトがシカマルは愛おしくてたまらない。
それを強く感じるのは、本来の姿へなった時だが異性の姿でも愛おしいと感じる。
姿は違えど、中身はナルトなのだから。
『──・・・あ』
「ん?」
大きくなったお腹をおさえ、痛がるでもなく微笑んでいるナルト。
『シカマル、今うごいた!動いたってば!』
「本当か?!」
シカマルも腹部に手を当てて動かないか待ってみるが、そう中々動かない。
初めての胎動に、二人は幸せを感じる。姿が見えなくとも、愛おしいと感じ成長を感じた。
「なぁにやってんだ、腹なんか触って」
任務から帰ってきたシカクが二人を見て尋ねると、まさかと思い近付く。
「動いたか?」
『うごいた!』
満面の笑顔でシカクへ告げると、同じ様に丸くなったお腹へと触れた。
「そうか、動いたか・・・」
嬉しそうに目を細めて、シカクは撫でる。
「これからが大変だな。ナルトに似てるなら元気に動くだろうからな。」
『絡まったりしない?』
臍の緒が二人に絡まって大変な事にならなければいいな、と感じた。
「大丈夫だろうよ、中々動かねぇなぁ・・・」
動けー、と撫でながら話し掛けるとナルトはくすぐったそうに笑う。
それから直ぐにヨシノが戻ると、同じ様に喜び触れて、撫でる。
こんな事で、人が喜び幸せな気持ちになれる事を、こんなにも嬉しい事なのだと
後少しで産まれる二つの命
ナルトは毎日お腹の中の二人へ話し掛けた。
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