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NARUTO



シカマルが普段より早く帰宅した事にナルトは驚く。

何時もなら食事の支度が終わった後に帰って来るが、やはり早く帰って来てくれると嬉しく感じる。


『お帰り、シカマル。お疲れ様。』


「ナルト、もう終わりそうか?」


『うん。もう終わるから先に風呂でも入ったら?』

そうする、と額にキスを落として風呂場へと向かう。


『──・・・っ』


姿が見えなくなった途端、ナルトは菜箸を置いて額に触れる。その顔は赤く瞳が潤む。


平常を装っているが、本当は恥ずかしくて愛おしいと感じてしまう。

シカマルを好きすぎて、重たいと感じられないよう隠している。


『ずるいんだって・・・』


さらっとするなんて、と呟く。

シカマルが相談に乗ってくれる以前から
、ナルトはもしかしたらと気付いていた。

自分はシカマルが好きなのではないだろうかと。


けれど自分は同性で、里の危険人物であり、人柱力。

そんなのが、人に恋をするのが間違いだと

ましてや同性。気持ち悪がられて、嫌われてしまう。


けれど他の者からの好意を受け入れられなかった。どうしてもダメだった。


それがいま、隣に居てくれて愛してくれている事に、ナルトは幸せだった。


望んだ願いが一つ叶った。



「──・・・ナルト?」


『・・・へ、あ、うわぁっ!!』


シカマルが上がるまで考えていたせいか、視界に映った事に驚き体勢が崩れる。


「あぶね、どうした?」


『あ、ありがとう・・・』


シカマルの事を考えていました、だなんて恥ずかしくて言えない。

微かに頬を染めた姿に、シカマルは口許に弧を描く。


「何か考えてたか?」


『何も・・・ただ早く出たからビックリしただけ』


視線を合わせると、しただけだってばは紺色の浴衣をはだけさせ、乾いていない髪の毛はかき揚げられ、色気が漂っていた。


シカマルから漂う、自分と同じ香りが、どうしてか頭をくらりとさせる。


「後にしようと思ったが・・・」


『なに?』


何かあるのだろうかと不思議な顔を浮かべると、抱き上げられた。


『ちょ、シカマルなに・・・っ』


「真剣な話をしてぇんだ。」


『──・・・っ』


ぞわり、と一気に押し寄せる不安と恐怖心に、ナルトは呼吸すら止めてしまった。


「これからの事を話してぇんだ」


『あ、やだ、俺や・・・っ』


ぼろぼろ流れ落ちる涙を気にせず、ナルトは身体を震わせる。


「勘違いするな。昨日の事が分かったからその話をするんだ。」


抱き着かせたままソファーへと座り、シカマルはナルトの顔を覗き込む。


「ナルト、俺と結婚しろ。」


『・・・・・・は?』


いきなりの事にナルトは目を丸くして見上げると、シカマルは冗談を謂っている顔はしていなかった。


『なに、言って・・・』

「女になったナルトには、本来無い筈の子宮があったんだ。」


なにそれ、と言いたげな顔に、シカマルは苦笑する。


「俺とナルトの子供が作れるんだよ。」


『う、うそだ、そんなの嘘だ・・・っ』


夢のような事があるはずが無い。それに


『でも俺は子供はつくらな・・・っ』


「──・・・俺と結婚して俺とナルトの子供を産め。」


重なった唇が僅かに離れ、シカマルは真剣な顔でもう一度告げた。


「抱くのは女の姿だが、ナルトに変わりはねぇ。」


『だ、駄目だってば、俺は、俺は・・・っ』


「ナルト、忘れたのか、お前が誰の子供で、母親がどんな人だったのか」


そんなの、わかってる。

分かってるからこそ怖い。


「俺だって同じだ。過去も、九尾の事も引っ括めてナルトを愛してる。」


だから

うつむき泣いているナルトの頬を包み、上へとあげさせる。


「俺の妻になって、俺達の子を産んでほしい。」


『・・・・・・っ、はい。』


卑怯だと、思った。


そんな愛おしむ顔や、目で言われたら


あんな強い眼差して言われたら


「幸せになろう」


昔願った事は

家族の無償の愛情と温もり


それを自分が此れから築き上げようとしている事に


『シカマル』


「ん?」


『俺を愛してね。』


たくさん、たくさん愛して下さい。


「あたりまえだ、誰が逃がすか」


明日は実家に行こう、と約束をして二人はそのままたおれこんだ。







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あきゅろす。
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