NARUTO
三
翌朝、シカマルは火影室へと向かい尋ねてると、気持ちが悪いぐらいの笑みを向けられてたじろぐ。
「シカマル。お前見合いをする気は無いのか?」
『何度も言ってるじゃないですか、俺は見合いなんかする気は無いって。』
頭を掻きながら面倒くさそうに返す。何度も聞かされた見合い話に、返す言葉は何時もと同じ。
「ナルトと別れたら、見合いをする気になるか?」
『なりませんよ。ナルトを傍に居させるのに、どれだけ苦労したと思ってんすか』
思い出すだけで忌々しいと言いたげな顔で告げると、綱手は苦笑する。
男女問わず人気になっていくナルトに、ライバルは多かった。
親しくとも、それ以上の感情を変えるのは苦難した。周りも里の外でも人気のある者ばかり。
そんな者たちからナルトを射止めたシカマル。
手放す気なんて無かったし、自分は一度諦めた身だった。
だからナルトの良き相談相手として聞こうと決めた。
案外それが良かったのか、ナルトと過ごす時間は増えたし、安らぐ場所へとなった。
ここで自分も好意を寄せていたと言えば、ナルトは困惑してしまうしそれこそ任務にすら悪影響を及ぼしてしまうと。
『俺は、一族を追放されようが、ナルトと居ると決めました。あいつを幸せにするのは、俺だけでいい。
「ナルト中毒め。」
『末期ですから。』
本当は閉じ込めたいとも思ったが
自由に羽ばたく美しい羽を奪ったら、その輝きは見れない。
輝きを失わせるということは、殺してしまうのと同じだと。
「なら話を戻すが、お前ナルトと結婚して子供を作れ。
『子供、出来る身体だったんすね』
思った通りの内容に、シカマルは頭の中でガッツポーズをした。
「だが良く考えて答えを出せ。」
『答えなんて決まってますよ。アイツが幸せになれるのは、俺だけですから。』
自分が幸せになれるのも、ナルトが居なければ無理だと感じている。
「後はナルトだけだ。両親にもちゃんと言っておけ。」
望んでいたものが、今実現しようとしている事に、シカマルの気持ちは軽かった。
願いが、叶おうとしているんだと
シカマルは家路を急いだ。
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