NARUTO
弐
一日の授業が終わり、キバは部活に向かいナルトはシカマルから借りた電子辞書をバックの上に置いて、外を眺めてた。
生徒達が帰る姿、ユニフォームを着て走る姿。立ち話をしている姿。
ポツポツいたクラスメートも次第にいなくなり、彼一人になった。
中々現れないシカマルに、ナルトはどうしたのだろうかと考えるが、誰かに捕まっているのかも知れないと思うと、暇潰しにゲームを始めた。
真っ赤なボディーのゲーム機は、本来青だったのだが、母親が踏ん付けてしまい壊され、今の色になってしまった。
「ワリィ、遅れた」
『・・・いえ、ゲームしてましたから。』
ゲーム機を閉じて立ち上がり、電子辞書を取る。
『ありがとうございました。お陰で助かりました。』
「また忘れたら借りに来な。」
『・・・忘れないよう努力します』
くすくす笑うシカマルに、ナルトはがくりと肩を落として暗い声で返した。
「途中まで帰んねぇか?」
『はい。』
頷きバックを持って二人は玄関へ向かった。
『あ、おれまだちゃんと名乗ってなかった。』
「うずまきナルト だろ?」
知っていた事にきょとんとした顔を向けると、シカマルはくすくす笑う。
「キバが良くナルトがどうだの、補習だとかって言ってたからな。」
『・・・キバの奴』
ギリッと歯を噛み締め、明日見た瞬間蹴ってやる、と決めたナルト。
「いっつも明るくて元気で楽しい、ともいってたけど?」
『・・・付け足しても明日一発蹴り入れるのは確かです。』
苦笑混じりに告げると、シカマルはそら災難だ、とはにかんで笑う。
「俺は奈良 シカマルな。」
『奈良先輩ですね。』
おう、とナルトの頭を撫で下駄箱で一度別れた。
『・・・・・・。』
自分の下駄箱の前で立ち止まり、撫でられた頭をさすった。
『・・・ずりぃ』
かぁ、と頬が熱く胸がドキドキしているのは、一歳しか違わないのにシカマルの雰囲気や表情が大人のように見えたから。
『──・・・はぁ!?』
下駄箱を開いた時、見覚えのある物に目を丸くして驚きの声をあげた。
『な、なんで此処に俺のがあるんだよ!』
靴の上に置かれた青い電子辞書があったからだった。
「どうした?」
『お、俺の電子辞書っ!』
ひょこりと現れたシカマルに、目を丸くしたまま返すと色違いのがあった。
「良かったな、あって。」
『うん!・・・じゃなくてどうして此処にあるのか不思議すぎる!』
ずっとバックの中に入れていたのに。と呟き、シカマルは口を開く。
「まぁあって良かっただろ。」
『んー・・・うん。』
不思議な顔を浮かべながら電子辞書を取り、自分のかを確認した。
「あってたか?」
『・・・俺のだ。』
あったから良かったにしろ、ナルトは不思議で仕方がなかった。
『キバの家から近いんですね。』
「あぁ、小学から一緒なんだよ。」
ずっと一緒なのは凄いな、と思う中でナルトは羨ましいとも感じた。
『俺引っ越しばっかだったからそう言うの居ないから、羨ましいです。』
「転勤族か」
うん、と頷きナルトはふっ、と笑う。
『小学時代は日本とアメリカだったし、中学はイタリアでした。』
「海外転勤だったんだな。」
こくこく頷きシカマルを見上げる。
『だから、羨ましい。』
本当に羨ましくて微笑むと、シカマルは一瞬だけ目を丸くした。
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