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NARUTO
電子辞書の役目は時として (編済)

木ノ葉学園は本日も平和である。


平和な昼休みが終わろうとしていた時だった。

机の中を探し、通学バックの中を探し、ロッカーを見て何かを探している顔は焦りを浮かばせている。

『・・・何でだ、何で持ってきたのに入ってないんだ』


「何だよナルト。何忘れたんだ?」


前の席に座っている犬塚キバが振り返り尋ねる。


『つぎ辞書必要だろ?電子辞書持って来たのに・・・』


「はぁ!?辞書忘れたのかよ」


『あーもー!やっちまったってばよお!』


アスマ先生の拳骨嫌だぁぁ!


と机に突っ伏したナルト。

確かに昨日充電を済ませてから、バックの中に入れた。なのに無いってどうしてだ、と首を傾げる。


「てか今なら拳骨じゃなくて・・・」


『拳骨じゃなかったら何でもいいよ!』


だってタンコブ出来るのは我慢ならない!

以前された痛みを思い出してそこへ触れた。


「まぁそうだけどよ・・・まだ時間あるから知り合いの所に行って聞くか?」


『いいの!?』

救いの神様、と言いたげな表情で頷くと、キバは立ち上がり、階段へと進む。

『・・・うえ?』

「そ。一つ上で幼なじみなんだよ。」

二年生がいる階へつくとキバはAクラスの方へ足を向けると、ナルトはまさか、と目を丸くした。


「シカマルー」

『・・・あ?』

髪の毛を一本にしばり、ネクタイを緩めて小説を読んでいた彼がキバの方へ向き、立ち上がり寄ってきた。


「なんだ」

「ワリーシカマル、電子辞書持ってね?」

忘れたのか、そう尋ねるとキバは手を左右に振りナルトの方へと振り返る。


「同じクラスのナルトってんだけど、何か無くなってるらしくってさ。」


『あの、いきなりで申し訳ないですけど、あったら貸して下さい!』


じ、とナルトを見ていたシカマルにナルトは気付かないまま頭を下げた。

たまにキバと二人で帰っている姿を見た事が何度かあるナルトは、話すのが始めてで少し緊張してしまった。


「確かアスマだったよな」

「拳骨らしいぜ、コイツ。前もされてたけど。」


『だからあれは持ってきてたけど底に入ってて気付かなかったんだってば!』


仄かに頬を赤くさせキバに伝えると、彼はカラカラ笑う。

「いま持ってくるから待ってな」

ぽん、と肩を叩かれ告がれた言葉にナルトの表情は明るくなった。

「良かったじゃん」

『うんっ!』


にっこり笑顔を向けると、キバは苦笑を零す。

「ほら、帰り教室行くから待ってろ」

『え、俺持ってきますよ?』


上がるより下がった方が楽だろ、と返されるとナルトは納得して頷く。


『辞書ありがとうございます。』

「良かったな、拳骨されなくて。」


苦笑をこぼしながら頷くと、緑色の電子辞書を眺めた。


『これ俺のと色違いだ。』

「あー、ナルトのは青だったよな。」


うん。キバの言葉に頷いていると、シカマルはそうか、とつげる。


「サンキューシカマル!」

『ありがとうございました。』

「おー、あとでな。」

まってます、と返し二人は教室へ向かって行き、ナルトはアスマの拳骨から逃れた。

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あきゅろす。
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