[通常モード] [URL送信]

NARUTO


肌同士がくっつき、ダイレクトに伝わって来るシカマルの体温。


それだけでナルトはくらりと目眩をおこした。


『あ、暑いなら離れろ』


てか風邪引くぞ、と付け足すと背後からくすりと笑ったシカマルの声が届く。


「なに、ナルト緊張してるのか?」


『いやいやいや、シカマルが変な動きするからだろ!』


対応に困るといいたげに、それでも振り向く事をしないナルト。


シカマルの瞳には、耳の裏まで赤くなっているのが分かり、にやりと笑む。


「変な動き、ねぇ・・・」


『ひっ!な、ななななっ、何す・・・っ?!』


ちゅ、とわざとリップ音を立てて項へキスをした。


びくりと大きく震え、勢いよく振り向いたナルトの表情は

驚きと普段見せないシカマルの表情に、息を詰まらせ赤くなる。


「真っ赤だぞ」


『うっ、うっさい!く、首にチッ、チュウなんかすっ、するから・・・っ!』


吃りながら声を大きくしたものの、された恥ずかしさで小さくなり、俯きながら逃げようと身じろいだ。


「あんなんで真っ赤にすんな。」


『うるさい!俺はするんだよ、バカマル!大体なんで俺に・・・あ?』


とん、と背に当たったのはベッドマット。逃げ道が無くなってしまった。


『──・・・え?』


顔を前へ戻すと、視界は暗くなる。


変わりにふわりとナルトの鼻孔に届いたのは、ボディーソープの香り。


胸が、苦しい。


頭が、身体が


おかしくなってしまいそうだ。


『シカマル離せ、ってば・・・う!?』


顔を上げた瞬間、押し付けられた唇はやわやわと噛むようにさ迷い、時折吸い上げてくる。


身じろぎをして逃れようとすれば、それを上回る力で首筋を捕らえ、ぐっと引き寄せられる。


『んゥ・・・ッ!?』


逃げられず、その弾みで開いた隙間にぬるりとしたものが滑り込み、ナルトは呆然と目を見開いた。


(しっ・・・舌、だよな・・・これ)


我に戻った途端もがいてもやはり無駄で、ぎゅうぎゅうと抱きすくめられた体勢へとなる。



『シ、う、・・・シカ・・・っあ!!』


濡れた感触はやわらかく淫猥な動きを見せる。

そして息苦しさから漏れてしまった自分の喉声が甘ったるい響きを含んでいることにぎょっとなり

せめてそれから逃れようと頼りなく首を振れば、上あごの裏側にひたりと舌先が当てられる。

『───ンっ!?』


舌先でかるく触れられただけで、喉を震わせる。


(逃げれない・・・)


もうどうすれば良いのかすら思い付かず、僅かに動く指先は震え、シカマルのズボンをすがるように掴んでいた。


ならば瞳で訴えようと息苦しさからきつくつぶっていた瞳をようようと開ければ、ナルトは愕然とした。


『・・・っ、んぁ!』


至近距離のそこには、射貫くような瞳があった。


それはナルトだけを見据えている。


『シカ・・・や、・・・ぅあっ!』


口づけの音は動きにつれて激しくなり、まだ諦めていない逃れようと動く腰に大きな手の平がそれを包む。


『や、なん、や・・・!』

にげるな、と言われているようでほどけた唇から伝う唾液が銀色の糸を引いた。


『なんでこんな──!?』


攫うよう強く抱きしめ、身長さに喉を反らせたまま再び唇をふさぎ、舌を含ませた。


『ん、んんん!』


搦め捕った舌のぎこちなさに、シカマルはそぐりとしたものが背筋を駆け上がる。


『ま、まて・・・シカマル、も、ま・・・っ』


震えてしまう声と、涙声でなんとか伝えようとシカマルを見た。


「ーー・・・嫌か」


『い、嫌とか、んな急に・・・なん、なんなんだよ!』


力無くシカマルの肩を叩いて発するが、その手を捕らえられる。


「お前ほんと」


『──・・・っ!』


ちゅ、と手の甲に落とされたキスに


ナルトは呼吸すら止めてしまった。


゙──・・・鈍い奴゙


囁かれた言葉の甘さに

その甘い表情に


『・・・っ』


この異常なまでの胸の高鳴りや

身体が暑くて呼吸すら苦しくて


それなのに


キスをされても嫌じゃないのは


知らない姿をみて胸がときめくのは


自分じゃ知らない身体のほてりは


『・・・っ、シカマル・・・』


(どうかしてるんだ)


「・・・・・・テメ・・・ッ」


自分からキスできるのも


『おれ、勘違いしそうだから、もうすんな・・・』



俯いたのと同時に涙が床へ落ちた。


知ってたんだ


シカマルを見る度に高鳴る胸の鼓動を


触れる度に

肩を並べて歩くだけで


どうしようもなく、幸せな気持ちになってしまう事を



愛だとか
恋だとか


何も知らないけれど


これは
この気持ちは



『俺はシカマルが好きだから・・・だから』


こんなにも悲しくて 苦しい。



他人を愛おしいと想う


特別な感情だから──…・・・




「だからキスするんだろ」


『──・・・っ、ふ、う』


涙が止まらない。


ぼやける視界の先には、とても優しく微笑んでいる彼がいたから。


「──ナルト」



『なに?』


抱き寄せられ、耳元へ唇が触れた。


「───好きだ」



『・・・っ、うん・・・』


今はもう震えが止まった指先は、真っ直ぐシカマルの頬へと伸び


『──・・・シカマルが好きだ』


つたないながらの


精一杯の口づけをして、互いに何度も繰り返した。





[前へ][次へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!