[携帯モード] [URL送信]

NARUTO


一度自宅へ戻り普段よりぬるいお湯を出して、なるべく刺激しないよう頭部を洗った。


それ以外は普段と同じ温度でシャワーを浴び、レトルト食品を食べた。


余り意識しないようしていても、ジワジワとくる痒みに逆らえず掻きそうになるのを必死で堪え薬を塗った。


空が暗闇に染まった時、綱手が言っていた使いの鳥が新しい薬を届けに来てくれた。


『早く寝たら痒くならないかも』


そう思うや否やナルトはさっさとベッドへと入り、少しでも睡眠が取れるよう眠った。




─────



───



──



『──・・・かいー』


むくりと起き上がり薬を塗りながら呟く。


時計を見れば時刻は夜の22時になろうとしていた。


『です2時間もねれなかった。』


がくりと肩を下ろし、中々引かない痒みをどうすれば良いのか分からず


家に居ても暇だとなり外出する事にした。


外に出ても暇なのは変わらないが、何もしないよりは幾分ましだろう。


どうにもならなくなったら帰りにコンビニで買い物して帰ろう。


『あーもーかいー!』


さっき塗ったばっかだっての


そう零しながら薬を塗った。


さっき塗った時から痒くなる感覚が短くなった事に気付き、顔を顰める。


ベンチに座り薬を眺めていると、こんなに痒みが強くなる虫とは何なのか、それを眺めながら考えた。


痒いのを我慢していると、身体のあちこちが痒くなって来たような気がしてくる。


『かいーかいーかいー!』


我慢出来ず、ついに小刻みに手を動かしながら掻いてしまった。


その気持ち良さにぶるりと身体が震え、違う場所も掻いている時


「掻くなっつっただろうが」


『・・・は?あ、え、シカマル?』


掻いていた手をがしりと掴まれ、横に顔を向ければシカマルの姿が視界に入り、胸がドクリと打つ。


「てか何やってやがる」


『寝たけど痒くて寝れないし、暇だから散歩してた。シカマルこそ何してんの。』


もう任務も終わり家に居る時間帯なのに、何故いるのか不思議だった。


「俺は先輩方と仕事の話ししてたからな」


『あー・・・シカマルは上忍にならないの勿体ないよな』


痒さを紛らわそうと足を揺らしてみても逃げて行かず、空いてる手が頭に動きそうになった。


「また酷くなったじゃねーか。」


『仕方ねーじゃん、痒くなるの早くなって来てんだから。』


カイー!と叫んで掻こうと手を動かした。


『うお・・・っ!』


「ったく、お前は」


ガシリと両手を掴まれてしまった。


『・・・・・・。』


言葉が出なかった。


あと少し勢いでもついていたら、間違いなくナルトはシカマルの懐へ飛び込んでいただろうと。


そう思うだけで、また胸が大きくドクンと鳴った。




[前へ][次へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!