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NARUTO



夏が近付いて来た頃だった。


「ナールト」


『カカシ先生?』


朝教室に向かっている途中、全体から怠そうな空気を醸し出すカカシは、白いマスクをして白衣を着ていた。


「ナルト今日ヒマ?」


『ヒマだけど・・・もしかしなくても雑用ー?』


嫌な顔で尋ねるとニッコリ顔のカカシを見て肩を落とす。


「じゃあ放課後お手伝い宜しくねぇ、先生と二人きりで嬉しいでしょー」


『嬉しくねーっ!』


怒鳴るとカカシば職員室で待ってるからねー゙と言い残して立ち去って言った。


『ありえねぇ・・・』


素直に暇だと言わなければ良かったと、後悔をしながら教室へ入っていった。








──────



────



──



放課後、ナルトは素直に職員室へ来たが表情はむくれていた。


「なーにふて腐れてるのよ」


『カカシ先生と一緒なら、俺じゃなくて女子の方が人集まるじゃん。』


「やーだよ。先生はナルトがいいんだもの」


゙あーそゔと肩を落とすナルトの姿を、カカシは優しい眼差しで眺めていた。



『俺さぁ、普通に何かの整理だと思ってた訳よ』


「うんうん」


手伝う場所へやってきたナルトは、身体を震わせる事しか出来なかった。


けれどカカシはにこにこした顔で白衣を脱ぎはじめる。


『何でプール掃除なんだよーっ!!』


二人で終わるかぁ!と一人で突っ込むナルトと、カカシはくすくす笑う。


「頑張ったらご飯奢るからねー」


『そー言う問題じゃないってば!何で二人でプール掃除なんだよ!』


アホか!

文句を言いながら掃除をする為に、足や腕を捲っている姿が可愛らしく見えるカカシ。


「滑るから気をつけてね」


『はいはい。』


デッキブラシを受け取り中へ入った途端、ぬるりとした感触がおそう。


『ひっ!ぬっ、ぬるぬるする・・・っ』


青ざめた顔で呟いた言葉は、しっかりとカカシの耳に入った。


『これ、ずっ転んだら最悪なパターンだ・・・』


間違う事なく藻臭くなる。


プール全体を見て、ちんたらしていたら夜になってしまう。


二人で終わるか?



『なーカカシ先生』


「んー?」


『なーんで他に呼ばなかったの?』


「えー、だって作業にならなかったら嫌だもん」


『は?』


人数が居れば作業効率いいじゃん。


そりゃこういった作業は女子より男子向きかも知れないけどさ



【カカシ先生の素顔が見たーい!】



ーー・・・あぁ、そう言う訳か。


『そら邪魔になるわな』


「なーにか言った?」


『べーっつにー』


人の秘密を暴くには


それなりの覚悟を持たなきゃならない時があるって事を


ちゃんと分かっていればいいのに。



「あー・・・暑いねぇ」


『まぁ、こんだけ天気が良ければ。なぁカカシ先生』



「ん?」


『寒い日は温かそうだけど、夏は通気性のいいのにしないと、汗疹になるから気をつけなよ』


ただでさえ蒸れて大変そうなんだから。


それをずっとしているには、理由あるんだろうな。

普通これだけ暑かったら蒸れたり、呼吸が苦しくなったりするだろうから外すのに


それをしないで平然としていられるのは


どれだけ大変だったんだろう。



「ナールト、ありがとう」


『は?あ、いや、べつに。』



頭を撫でられた事に驚き反応が遅れた。


振り向くんじゃなかったと後悔したのは、カカシが微笑んでナルトを見ていたからだった。


「ナルト君は優しいねぇ、先生ほれちゃいそう」


『はいはい、アホ言ってないで早く終わらす!』


──…なんでドキドキしてんだよ。





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あきゅろす。
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