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NARUTO



カカシの自宅の鍵を開けて、ゆっくり入った。


暗くても、本人の気配があってナルトは安心したのと、なんだかいけない事をしている気持ちになり、鼓動が速まる。


『──・・・いた。』


ベッドで気持ち良く眠っている姿を見ると、胸が暖かくなり起こさないよう口の中に入っている飴の音に気をつけた。


『・・・・・・。』


カカシをまたいでそのまま見下ろすと、視界が滲む。


『ごめん、ね』


こんな時間に来ちゃって。


会いたくて会いたくてたまらなかった。


名前を呼ばれたくて


その瞳に俺を映してほしくて


暖かくて大きな手で頭を撫でられたくて


その逞しくて安心できる腕で




『──・・・っ』


寂しかったんだ。


『ちょっとだけでいいから』


先生を補充させて。



起こさないようにカカシの肩に額をつけるナルト。


本当なら抱き着きたいけれど、疲れているから寝かせていたいと思うナルトの優しさだが



『──・・・大好き』


ちゅ、とカカシの唇と自分のを重ね、降りようとした。


「どうせなら先生、ふっかーいキスが良かったなあ」


『・・・・・・。』


目を開けてナルトを見るカカシと、余りにも驚き過ぎて硬直してしまったナルト。


「良くあるでしょ?キスされたら目覚めるって言うはな・・・あいだっ!」


『いつから起きてたんだよばかぁっ!』


羞恥で顔を真っ赤にさせながらカカシの横っ腹を膝で蹴った。


「どーしたのよ、こんな夜更けに。」


『ーー・・・会いたかったから。』


よっこいしょ、と起き上がるとナルトを抱き寄せる。


背中から伝わってくる彼の体温に酷く安心した。



「我慢できなかった?」


『ごめん』


迷惑だったのか、とショックを受け涙が溢れた。



やはり大人と子供は恋愛の感覚が違うから、我慢強さが足りないんだと反省をするが


「泣くような事じゃないでしょ」


『俺・・・迷惑だって分かってたけど、あっ、会いたくて・・・ごめん。』


一度溢れた涙は止まらず、ぼろぼろと粒を作って落ちていく。


「会いたかった?」


こくりと頷くナルトにカカシは愛おしさが湧きだし、強く抱きしめた。


「いいんだよ、会いたい時に来て。」


『・・・え』


優しい声と言葉にナルトは驚き顔を上げた。


「忘れた?俺寂しがりやだからナルトが居てくれないと困るのよ。」


『・・・うん』


「でもナルトは本当に寂しいと、我慢するからね。でも来るの遅いよ?」


『だ、だって・・・』


上がったのにまた直ぐ下へ頭が下がった。


「ナルト飴舐めてる?」


『うん、舐めてる』


ちょうだい、と言えばナルトはポケットに手を突っ込んだ。


「新しいのじゃなくて、ナルトが舐めてるのでいいよ。」


『う、あ・・・っ!』


こう言う時、年の差を感じてしまうナルトは、まだ自分が未熟と痛感してしまう。


『な、舐めたいの?』


「ちょーだい。」


にこやかに笑んでいるカカシに、ナルトはいちど強く瞼をつむると、彼の方へ向き直す。


「はーやーくー」


『・・・・・・。』

急かすのは、ただ意地悪をしているだけでナルトの反応を楽しみたかっただけだったが


「・・・っ。」


ナルトがしたのは、口移しで飴を渡した。


予想していなかった事に


まさかこうすると思わなかった。




「(ほんと、どうしようもない子だね)」


『おっ・・・おいしい?』


「んー・・・足りない、かな」


『だから新しい飴あげるってい・・・うぁっ!』


正面から抱きしめられ、思い切り息を吸うのが聞こえる。


「──・・・ナルトの匂い」


『カカシ先生の匂いだ』


肩に顔を埋める二人。


先に動いたのはナルト。


『・・・カカシ先生』


「ん?」


肩に額をつけ、掠れた声はカカシの耳の奥まで震わせた。


何かを決めたように顔を上げてカカシを見上げるナルト。


『おれ、カカシ先生の・・・っ、これ食べたい。』



「あー・・・ナルトお前ねえ」


額に手を当てて天井を見上げるカカシ。


「ほんと、俺を惚れ殺す気?」


『だって、だって!』

潤ませた瞳でそう言われても煽るだけだ、とカカシは思う。


素直で擦れていないぶん、その言葉は時に麻薬を使ったようになってしまう。


『俺、カカシ先生愛してるもん、疼いて仕方がないんだよ・・・』


「煽ったんだから責任取ってもらうからね」


軽いキスから、徐々に深いキスへと変わり

ナルトはベッドへと沈んだ。




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