NARUTO
弐
親からの最大の愛は、命を引き換えに生かされた事。
寂しくてたまらなかったけれど、仲間や先生達が沢山できた。
「ナルト、先生料理上手だよ?」
『やだ。それに料理しないから調理道具も調味料も無いし。』
「じゃあ食べに来る?」
『店以外行かない。』
誰かの家で食べるだなんて
寂しくて、時に残酷だから。
「がーんこだねぇナルト君は」
『頑固じゃなくて嫌いなだけだってば。』
ほっといてくれ、と頭でごちてお腹が限界で立ち上がろうとした。
「寂しがりやなナルト君はこれからカカシ先生と一緒に、ご飯食べて一緒に寝起きする特別授業をはじめまーす。」
『はあ?何言って・・・ぎゃあ!何担いでんだごらぁ!』
ひょい、と軽々と担がれるナルトは暴れる。
『そう言うの迷惑だから止めろってば!』
寂しければ誰かと一緒に食べに行けばいいし
それが無理なら親しい店で食べるのが一番いいと思っているナルト。
「ナルトは家庭の味を知らなきゃ駄目だよー、暖かさもね。」
『そんなもん必要無いから!』
いらない。
だって考えただけで暖かいって分かってるから。
誰かが居る家とか
誰かが作って待ってくれてるとか
『ーー・・・慣れたら、欲しくなる。』
「慣れたら?ナルトにならドロドロに甘やかしちゃうよ」
『な・・・っ』
言い方がエロい、と思いつつ顔を赤らめた。
「沢山教えてあげるからね、ナルトが知らない愛情を」
『カカシ先生ってショタコンだったのか』
「先生はナルトが大好きだからね」
『ふおっ!』
ぐい、と脇に両手を入れられて持ち上げられると
視線が合わさり、ナルトは目を泳がせた。
「ナルト、返事は?」
『・・・・・・。』
「なーるーとー?」
俯いて反応しないナルトを地面に下ろして、カカシは顔を覗き込んだ。
「どうして泣いてんの?」
『ほんとに・・・しなくていい、から』
知らない世界に足を踏み込む勇気が湧かなくて、想像してもしっくりこない。
「ナルトが来ないと先生も寂しいのよ?」
『それ狡い。』
「うん、先生ズルイのよ。だからね──・・・」
優しく身体を包まれ、唇に柔らかいものが触れた。
それと同時に、ナルトの目に溜まった涙がポロリと一滴
───・・・
──・・・
『カカシ先生ーっ!』
「はいはーい」
背中にずしりと乗っかる笑顔のナルト。
『今日のご飯なにー?』
「今日はしゃぶしゃぶサラダと魚かな?」
『野菜は嫌!』
「食べないと駄目だって言ってるでしょ。」
だからね
だから
寂しい思いをさせないで。
何時でも先生の傍に居て欲しいから。
『あー・・・もう食べれない』
「ナルト、夜はナルトを食べてもいい?」
『なっ、たべ・・・っ』
「だって先生ナルトが食べたくてお腹空いてるのよ」
ナルトの膝に頭を乗せて、腹に抱き着くカカシ。
勿論ナルトの顔は真っ赤なのはいうまでもなく、ここまで来るのには結構な時間を費やしたカカシ。
『──・・・食べすぎないでね』
「・・・・・・。」
ちゅ、と頬にキスをされてカカシは意表をつかれ驚いた。
「あー、それはナルト次第だね」
『俺明日任務あるからだ・・・ぎゃあー!』
その夜は、カカシに鳴かされ
翌日カカシの頬がうっすら赤かったのは言うまでもなかった。
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