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NARUTO



シカマルからすれば、手を握ればいいだろうと感じてしまうものだった。


両方のポケットに親指をひっかけているのだから、普通なら手だろ。と。


「おいナルト」


『安心した・・・』


俯いたまま呟くナルト。けれどシカマルからすればもう終わった事で、今は


「ーー・・・はぁ」

『・・・え、シカマル?』


ナルトの手をきゅ、と包んだ。

見上げるナルトを見ないよう反対側を向くシカマル。


「何時までも泣いてんじゃねえよ」


『・・・ごめん』


嬉しいのと安心したのとで中々涙が止まらなかったナルト。

シカマルはふっ、と鼻で笑う。


「小せー手だな。」


『うっ、うるさいってば!』

かぁ、と頬を赤くしてシカマルに返す。


「お前はほんとに・・・」


『シカマル?』


「あ?」


繋いでいない手で服を引かれ、顔を下へ向けるシカマルは、失敗したと心内で舌打ちをした。


潤んだ瞳と赤くなった目元や頬が、今のシカマルには苦しかった。


『後でイキシアがあったらシカマルに渡すってば。』


「・・・は?」


『じゃーねー』




するりと手は離れ、ナルトは走り出した。

ぽかん、としたシカマルは何故その花なんだ?と思うだけだった。



イキシア
別名 槍水仙(やりずいせん)

花言葉 秘めた恋



花言葉で貴方に気持ちが伝わりますように。




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