NARUTO
参
シカマルからすれば、手を握ればいいだろうと感じてしまうものだった。
両方のポケットに親指をひっかけているのだから、普通なら手だろ。と。
「おいナルト」
『安心した・・・』
俯いたまま呟くナルト。けれどシカマルからすればもう終わった事で、今は
「ーー・・・はぁ」
『・・・え、シカマル?』
ナルトの手をきゅ、と包んだ。
見上げるナルトを見ないよう反対側を向くシカマル。
「何時までも泣いてんじゃねえよ」
『・・・ごめん』
嬉しいのと安心したのとで中々涙が止まらなかったナルト。
シカマルはふっ、と鼻で笑う。
「小せー手だな。」
『うっ、うるさいってば!』
かぁ、と頬を赤くしてシカマルに返す。
「お前はほんとに・・・」
『シカマル?』
「あ?」
繋いでいない手で服を引かれ、顔を下へ向けるシカマルは、失敗したと心内で舌打ちをした。
潤んだ瞳と赤くなった目元や頬が、今のシカマルには苦しかった。
『後でイキシアがあったらシカマルに渡すってば。』
「・・・は?」
『じゃーねー』
するりと手は離れ、ナルトは走り出した。
ぽかん、としたシカマルは何故その花なんだ?と思うだけだった。
イキシア
別名 槍水仙(やりずいせん)
花言葉 秘めた恋
花言葉で貴方に気持ちが伝わりますように。
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