NARUTO
花言葉を貴方に
最近ナルトが変だ。
仲間達からそう噂が流れ出ていた。
゙何が変なの?゙
゙最近やたらと来るんだよ。゙
゙どう言う事?゙
゙それがよ──・・・
君が辛くならないなら少しでも力になりたい。
君が涙を流したり
君が痛みで苦しんだり
そういう辛さは
俺が一番良く解るから。
だから
だから
少しでも良いから笑って欲しい。
『しーかーまーるーっ!』
「・・・うるせぇ」
縁側で寝ていたシカマルを起こすと、不機嫌な顔と声を浮か
ばせる。
ナルトを一瞥すれば短いため息を零し、指を指した。
「・・・あっち」
『サンキュー!』
ニカッと笑ってナルトはその方向へ走っていった。
「──・・・はぁ」
頬杖をついてナルトの方を見るシカマル。
「めんどくせぇ」
ぽつりと呟き瞼を閉じて記憶を手繰った。
【最近ナルトが変なんだって】
【あぁ?また何かやらかしたのかよ】
【それがね、花の苗を沢山持ってきて植えたり、花を贈ったりしてるみたいなのよ】
【イノ、顔が怖いよ】
【あったりまえでしょう?こちとは花で商売してるってのに・・・っ】
ナルトが最近花の苗を持ってきて植えてる。
あぁ今日はカスミソウを貰うのか、とぼんやり眺めた。
何故こうも花を植えたり贈ったりしているのか不思議でならない。
「なーナルトー」
『んー?』
「そんなにあちこち花植えたり贈ったりしてどうすんだよ」
『綺麗だから植えてるだけだってば。花は生えてたから。』
シカマルの方を一切見ずに、ナルトは一生懸命花を植えていた。
『シカマルありがとうだってばよ』
「はいはい。」
顔と手に土を付けながらシカマルにカスミソウを笑顔で渡し、シカマルに告げて別れた。
けれどそれは直ぐに終わりを見せるだなんて、この時は思わなかった。
゙最近ナルトが元気無えみたいだな゙
゙花を植えてる姿は誰か見たか?゙
゙花を贈ってる姿は誰か見たか?゙
最後に見たのは沢山のカーネーションを抱えている姿。
ナルトがカーネーションを抱えていた日だった。
「──・・・ナルト?」
イノが商店街を歩いている時ナルトが花売りの女の子に話し掛けている姿を見かけた。
「カーネーション・・・ね」
゙こんな所で買ってた訳ね゙
と考えるとイノは閃いた。
きっと花売りの女の子が好きで、頻繁に買っていたんじゃないか、と。
イノは直ぐさまそこから離れた。
イノはニヤニヤした顔をしていて、仕事の話をしに来たシカクが声をかけた。
「イノ、そのニヤニヤ顔・・・どうしたよ」
「それがね、ナルトに恋が芽生えたみたいなの!」
「「なにぃ?!」」
両方の親が険しい顔でイノを見る。
イノはまずったか?と考えるがイノイチに続きを促された。
「最近まで毎日花の苗や花を贈ってたんだけどね、今日たまたま商店街歩いてたらナルトが花売りの女の子と話しているのを・・・ってちょっと?!」
だっ、と二人して窓から飛び出しイノは全く解らない顔をした。
「──・・・この本」
イノイチが床に置いて行った本をイノが眺めていた。
「ナルトに感謝だな」
「あぁ、でなかったら解らないままだった。」
イノイチとシカクが火影室目指した。
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