NARUTO
参
止める者がおらず言い合いは激しくなった。
今までたまっていたものを吐き出すように。
『だいったいサスケは昔から・・・っ』
「昔からなんだって?」
サスケの表情が柔らかくなって笑みが浮かんでいた事に気付いてしまい、ナルトは言葉を止めた。
目を合わせるのも恥ずかしくなってきて、視線をそらす。
『・・・っ、ツンツン頑固じじぃ』
ぷい、とそっぽを向き唇を尖らせて呟くように告げた。
「頑固じじぃ、ね。」
『・・・・・・。』
サスケの声音の低さや、腕に込められた力ではっ、となり視線を再び合わせて後悔する。
『――・・・おやすみなさーい。』
身体だけを横に向けてみたが、タオルで手首を縛られ身体は戻された。
「寝るにはまだ早いだろ・・・なぁ?」
『俺疲れてるから眠れる。』
何だかとても身の危険を感じてしまい、顔を引き攣らせる。
そしてなによりも
「もう観念しろ」
『そんな色っぽい顔して女を口説くようにやっても無駄だし!』
そんな感じでやってるに違いないと思ったが
「こちとらお前にしか言ってねぇんだよ、女になんか言ってたまるか」
『ひぅ!』
鎖骨をかりっ、と噛まれ身体を揺らした。
「お前以外、触れたくもねぇ」
『・・・サスケって相当俺が好きなんだな』
「わりぃかよ」
『冗談で言ったんだけど・・・うわ!どこ触ってんだよ?!』
「あ?胸。もう騒ぐな。」
いや騒ぐだろ!と突っ込みを入れたら、サスケは軽くキスをして耳元で紡いだ。
「──・・・お帰り」
『あー・・・ただいま。』
照れたようにナルトは笑った。
【大丈夫ですよ──・・・】
一番に言いたい人がいた。
一番に゙ただいま゙と
ただ言われなかったのが結構ショックで
気付かない振りをしていたんだけど
気付かれていたんだね。
【誰よりも早く見に行ってたと思いますから。】
願わくば
この絡めた指のように
もう二度と
お互いが離れませんように。
【何時もサスケ君は、ナルトを気にかけていますから。】
そう思うのは、我が儘ですか。
【頑固で不器用なだけですよ。】
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