NARUTO
拾
ナルトを襲った者は、卵を貰った里の忍でありカヤに頼まれたと言っていた。
それには流石のナルトも驚き、耳を疑った。
「卵の形だから動物が生まれると思ってるみたいだが、まれに人が生まれるらしい。」
そのまれを引き当ててしまったが、何故そうなったのかが良く理解出来なかった。
「尚且つこのチビ共が別れるなんて得に貴重なぐらい珍しいらしい。
どっちかが生きてどっちかが死ぬみたいだ。」
『俺何もしてないって!』
ただ暖めていただけ。
チビ達を見つめて考えたが、これといって思い付かなかった。
「卵は暖められている時に記憶をみるらしい。」
『──・・・は』
俺の記憶を見た・・・?
チビ達に視線を向けたら、顔を逸らされた。
「それとお前が卵に対する気持ちと、孵化した時の状況やらを見て決めるんだとよ。」
『だってカヤ姉ちゃんは下手したらただの殻にもなるって・・・』
「孵化する必要が無いとかんじたらそうなんだとよ。
こいつらが生きているのは、チビ共が決めた意思なんだとよ。」
自分が親で良いのだろうか…
悲しんだり苦しんだりしないかな?
考えていたらぺちぺちと頬を叩かれた。
「まーうー」
『ごめんな、俺が親でも良いのか?』
チビ達が応えるようにナルトの頬にキスをした。
「チビ助、俺の子でもあるらしいな。」
『ちがいます。』
シカマルに似ているのが一番不思議だった。
「言っただろ、卵は記憶を見る、って」
シカマルの言い方はまるで、ナルトの都合の良い言い方に聞こえた。
「俺のも読んだんだろうよ。」
『・・・理由にならない。もったからって理由にならないってば!』
顔を歪ませて言い返すと、シカマルはナルトの頭を優しく撫でた。
「お前が俺を好きなのと同じで、俺もナルトが好きだからな。」
『──・・・っ』
優しく微笑みを向けて、ナルトへキスをした。
そんな都合よく進むなんて有り得ない。
こんな
こんなに願ったモノが実現するなんて
「お前、子供に父親は必要だろうよ」
『俺が両方やるからいい・・・』
負担なんてかけさせない。
シカマルにはいくらでも可能性があるんだから。
「あー・・・俺お前以外ムリだし。」
『・・・な、ばっ、馬鹿じゃねーの』
真っ赤な顔で言っても、シカマルはクスクス笑うだけだった。
「宜しくお願いしますよ、奥さん」
『俺まだ何も・・・それになんだそのす・・・「黙るか」んむっ?!』
「おいシカク、お前何だか顔が気持ち悪いぐらい緩んでないか?」
「綱手様、俺もついにオジイチャンになると思うと・・・」
「アホか。」
こんな有り得ない奇跡を
これからどう歩いていけばいいだろう。
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