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NARUTO



互いに孤独を知っているから。


互いに痛みを知っているから。


憎しみは無いとは言えないけど、俺には仲間がいたから


けど九喇嘛はずっと一人で、檻の中にいて

沢山の憎しみを、苦しみや悲しみ

──・・・痛みを受けてきた。


外に出れるようになった時に、友達が居ないのは可愛そうだと思って


孤独よりましだろ?



孤独が一番辛いんだから。









火影室では綱手が侵入した二人を眺めた。


「お前達、いくらなんでもあれはやり過ぎだ」



「火影様、それを望んでいる者は里に沢山居るんです。それを何も知らない者が簡単に・・・」


「だから殺そうとまでする事か。下手をすれば大惨事の可能性だってあったんだ。」


ハツがはっきり答えたが、そんな嫉妬で森の一部だ壊れたのと

それを引き金となり、ナルトが九尾化にならなくて安心もした。


「あの子は九尾の人柱力だ。親から受けた最初で最後の愛は、里を救った英雄としてほしかったみたいだが、そうはならなかった。」



ならなかったんだ。


英雄どころか疫病神とまで言われ、心に深い傷を作った。


「ナルトの気持ちを読み、この結果を決めたのは卵の意志だ。」


「あいつ、九尾の・・・」


「この結果になるとは私も思っていなかったから驚いた。ただナルトがこれからどうするのか・・・」


「綱手様、うちの馬鹿息子がすみません・・・」


「いや、私はあの子の気持ちしか・・・」


気付く事が出来なかった。


まだ目覚めぬナルトを心配する綱手。











「──・・・。」


「アウー・・・あだーだーっ!」


じっ、とナルトの胸元に座って同じようにシカマルを見上げるチビナル。



ナルトと同じ大きくて蒼い目は、まだ汚れを知らずきらきらしていた。


ベッドに頬杖をついて同じ目線になって、シカマルは小指で頬を触れた。


「なあ、おまえの父ちゃん・・・母ちゃんか?何時になったら起きるよ」


「うー・・・あうあうだーっ!!」


小さな小さな子供


良く見れば自分に似ているんじゃないかと感じてしまう。



綱手から聞いた卵の力を、シカマルは信じられずにいたが

今目の前にいる小さな子供を見て、実感する。


「ナルト、早く起きろ・・・」


ちゅ、と唇にキスを落とした。


けれど何だかこれじゃあ、と思いシカマルは頬杖をつきながらナルトの鼻へ手をのばす。


「起きろ、馬鹿ナルト」


むぎゅっと摘み、反応を黙って見るとナルトの身体はぴくぴく動き

段々と顔が赤くなってきた。


『ん、んー・・・っ、むぐっ!』


「まうっ!」


ばたばた暴れはじめるナルトと、そのせいで胸元に座っていたチビナルが布団の上に落ちた。


「いい加減起きろ・・・」


「まうーっ!まうーっ!」


目付きを鋭くしてシカマルを睨むと、勢い良く飛び蹴りを頬へくらわせた。


「いって・・・な、てめぇそんなに動けんのかよ」


「ばうーっ!!」


ナルトの鼻から手は離れたものの、チビナルはシカマルを睨みつける。


「んなに怒るなっての、めんどくせーな。」


【ぐるるるるるっ】


「──・・・。」


いや、まじめんどくせー。


何でさっきのデカイ白い狐がミニマムになって、布団の中から出て来てんだよ


と、シカマルは頭の中で突っ込みを入れた。


『ん・・・う、あ・・・』


まだ重たい瞼を何度も瞬きして、視界に写ったものは


『・・・キツネ、だ』


思い描いていた白い狐。

そろり、と触れば柔らかな毛並みがナルトの手を包む。


頬を叩かれそっちを見れば、目に涙を溜めたチビナルの姿。


『何、泣いてんの・・・』

【まうーっ!】


ぎゅう、と顔に飛び込んできたチビナルに、自分までもが涙を零した。


あの時、間違いなく死んだと


自分の不甲斐無さで助ける事が出来なかったと思ったから。


それが今こうして目の前に居る事が、どれだけ胸が暑くなるか


「ナルト、説明していいか」


『シカマル・・・っ!俺ちょっと旅に出て来る事にしたってば』


シカマルの存在に気づきナルトは慌てて布団から出る。

狐もチビナルも肩にひょいと乗るとナルトは窓枠に足を引っ掻け脱走しようとしたが


「馬鹿かおめぇは!」


『馬鹿だからいーんだってば!』


腕を掴み逃がさないようにするが、ナルトは逃げようと腕を払う。


「チビ共落ちるぞ」


『嫌だ!』


素直に窓枠から脚を降ろして扉の方へ向きを変えた。


「行く所はそこでもねぇだろうが」


『じゃあ何処から出ろって言うんだって・・・ばぁっ!』


脚が宙に浮き、無意識に目をつむった。けれど衝撃は無く、何かの上に乗っかった。



「とりあえず話しが先だろ」


『ぎぃ・・・っんーっ!』


叫ぼうとしたが虚しく塞がれた。

膝の上に座らせたのが分かれば、間違いなく叫ぶとシカマルは分かっていた。


ナルトは目を丸くさせて手をばたつかせていたのが、ぬるりと湿った物が入るのが分かると動きを止める。


『ん、んーっ!・・・むっ?!』


更にナルトの顔は茹で蛸のように赤くなる。


シカマルの瞼が閉じる事無く、ナルトを見ている。


それが恥ずかしくて、瞼をつむるしかなかった。



『──・・・ふ、あ、は・・・っ』


ナルトの熱く湿った息が、濡れた唇から零れはじめた。


瞼錘っているせいか、音や感触、体温までもが敏感に感じてしまい、逃れようと腰を引く。


『・・・む、う・・・あ、やっ!』


逃げようするナルトを逃がさないように引き戻し、固めた。


「──・・・話し、聞くか?」


『き、く、からっ、も、だめ・・・っ』


もっとしてやろうと言う気持ちが芽生えてしまったが、シカマルは堪えて唇を離した。





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あきゅろす。
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