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NARUTO



静まる火影室にノックの音が響く。


「失礼します、綱手様・・・って、ナルト?」


『あ・・・サクラちゃんおはよう』


振り向くとサクラとシカマルが居た事に驚き、巾着を閉めた。


「ナルト、お前の気持ちは良く分かる。分かるがその子は・・・」


『殺せって言うのか?俺には出来ねえ・・・殺すことなんて出来ないってばよ!』


「ナルト違う!待てナルト!」


窓から飛び出したナルトは、山の方へ向かった。

綱手はため息と共にうなだれる。


全く分からないサクラは首を傾げてからあるものに気付き、それに触れた。


「小さな、肌着?」


サクラは懐かしいと呟く。


「綱手様、いくらなんでも言い過ぎでは・・・」


シズネが困った顔をして尋ねる。

綱手達は本当の理由を知っていた。


「まだハッキリ分からない所もある、それに・・・もしあのままでは消えてしまうかもな。」


「そんな!あんなにナルト君に似た可愛い子供なのに!」


「だが今のままではいずれシカマルに知られ・・・」


「俺が何すか」


全くシカマルの存在に気付いていなかった綱手は、ついに机に突っ伏した。


「綱手様、まさかナルトに子供が出来たんですか?!」


「子供じゃなくて・・・卵だろ?」


「シカマル君卵見ちゃったの?!」



サクラの問いにシカマルが昨日の事を思い出して告げれば、シズネが目を丸くさせる。


そして再びノックが鳴ると、慌ただしい足音が鳴る。


「次から次へと・・・一体なんだ!」


【東の森近くに怪しい者が二人居るとの報告です。】


「東・・・確か今ナルトが向かって行ったな。まさか・・・シカマル!?」


今度はシカマルが窓から飛び出して行った。


今日は朝から何なんだ、と頭の中でごちる綱手。





ナルトは東の者森の中をとぼとぼと歩いていた。


シカマルの子供が欲しいと願っていないのに


そんな事を願うより、女になりたいと願っていた。


そうすればもしかしたら、と。けれどどっちみち自分には無理な事。


母親のように力が弱まった時に再び里が襲われでもしたら



『──・・・誰だ』


なにかの気配がナルトの近くで感じた。


巾着を落とさないよう懐へと入れる。


【卵をよこせ】

【そこに入れた卵をよこせ・・・】


『誰が渡すか!お前ら何処の忍だ!』


現れた二人組を睨みつけると、男達はニヤリと笑んだ。


【素直に渡す気は・・・?】


『無いっ!』


誰が渡すってんだ!


【ならば力ずくで奪うのみ!】


瓶に入っている液体を手の平へかけると、それはどんどん大きくなっていく。


とろりと動くそれにナルトは身震いする。


【普通に奪うんじゃ味気ないからな・・・その卵を奪って俺達がっ!】


【くらうがいい!】


『──・・・っ!』

大きな膜がナルトへと向かう。


『う、ああああぁぁぁぁぁあっ!』


ナルトの悲鳴が森の中を包んだ。




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