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クライトの非日常的な日常
話す事、聞く事
裂夜が意識をクライトの所に飛ばした為とりあえず体を保健室に運んだクレイブ達、

帰還した裂夜、守人両名の怪我や肉体の状態を調べる

幸い守人は傷だらけで多少の衰弱は見られるが意識はしっかりしていて問題無しと判断された、しかし校長も彼の容態を案じてかあまり長時間に渡る質問を避けすぐ部屋を後にした

残されたのは、裂夜、守人、風香、勇気、クレイブと見慣れたメンバー、そして…

?『クライトの事を教えて欲しいっす…』

さっきの事が余程ショックだったらしく顔を下に向けたまま座るカモミール、周りの人間に向けた言葉に周りの人間達も答えに詰まっている…

風『…あの、さ…、ク、クライトはね、魔族に操られてね…』

クレ『操られたじゃない、あれはアイツの意志だろう?』

風『クライトは裏切ったんじゃないよ迷ってるだけだよ

クレ『迷ってるだと?さっきの様子見たろ?アイツそこのガキを殺そうとしただろうが友達なんだろ確かカモミールって云ったか?お前』

カモ『カモでいいっす、…確かにクライトは俺に剣を振り下ろしたっす…その時の目は間違いなくクライトの意志があったっす…でも彼は躊躇したっす…あれがきっとクライトの本心っすよ』そしてポツリと…、

カモ『あれが本心だと思いたいっすよ…』

周りが静まり返る…

風『ねぇ…カモ、クライトとはどうして知り合ったの?』

カモ『俺っちは去年からこっちの学校に来る事が決まってたっす、で、部屋を取る為に何度か行き来する際に知り合った春原の紹介で知り合ったっす…春原は留年すから学園の事に詳しいし、クライトは生活費稼ぎにコロシアムで大人相手に戦ってた位で戦闘経験は俺っちなんかより断然上っす、ただ2人とも魔法の知識がからっきしらしくてよく三人でパーティー組んで仕事してたんすよ…』
風『そっか…クライトって親いないんだもんね…たった1人の肉親だって言ってたし、自分でお金稼いでたんだ…』

勇『自分で仕事か…僕なんかこの学園来るまで仕事なんてした事無かったのに、苦労してるんだな…』

イブ『…苦労?…まだ身近に死を経験してない人間は楽でいいよな〜?』
クレイブが口を挟む

風『クレイブそんな言い方…

イブ『なら風香…お前自分の親を殺した時の気持ちがわかるか…?』

クレイブの目に殺気が宿る

風『…そ、そんなのある訳…』

イブ『…俺は殺した…、親を…家族を…友達を…知人を…街の人間全てを…』周りの人間が生唾を飲み込む…

イブ『…少し重いぞ?』
クレイブに自嘲気味な笑みが浮かぶ、多分訊きたくないなら止めるという意思表示だろう、しかし誰も反対などしない、

イブ『…わかったよ、聞いて貰おうか…俺がどうして魔族を憎んでいるのか…そして何故助かる方法ではなく死ぬ方法を探しているのかを…』

一度言葉を切り、大きく息を吐き出すクレイブ…喋る事を躊躇しているのか…

クレイブ宿る魂のあげる悲鳴、その声に皆が耳を傾ける時衝撃が走る

…続

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あきゅろす。
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