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クライトの非日常的な日常
思いはやがて消えゆく
ここは街の酒場、転移を使って出て来たが…

クラ『…マズいな…』

バーテンの男が話かけてくる…

バー『お口に合いませんでしたか?いつもお出ししているものと変わりないですが…』

ク『いや、すまない、気分が優れなくてな…』

バー『酒は心を表す鏡ですからね』

ク『?』

よくわからない…

ク『どういう意味だ?』
バー『お酒は気持ちによってマズく感じるそうです、何か悩みがあったりすると特にそうらしいですよ』

…悩み…か…、有り過ぎて困るな(苦笑)

苦笑していると、

バー『すみません、こんなつまらないお話してしまって

ク『いや、興味深い話だったよ、実際今悩みがあるには在るからな』

バー『悩み事なら話ぐらいは聞きますよ?良ければ話して下さい

グラスに残った酒をあおり、

ク『じゃあ一つだけ聞いてもらうか…』

バー『何でもどうぞ』

グラスを置き席を立ちながら

ク『人間辞めて後悔してんのさ、戻る方法ねぇのかなってさ…(笑)』

そう言い残し席を立つ

バー『冗談はよして下さいよ〜(笑)』

ク『ハハ、失礼したな、お代はここにな』

バー『またどうぞ』

昼間から酒場で不健康に過ごし、そのまま帰ろうと店を出ると

?『オイ…』

ク『?』

見るからにチンピラ風な男が数名こちらをみている

ク『何か用か?』

チA『昼間から酒場いるって事は結構金持ってるんだろ?出しな』

ク『バーテンとおしゃべりにきただけだからな、生憎持ち合わせがない…すまないが他を当たってくれ』

チB『オイふざけんなよ…おとなしく金だしな

カシャリ

ナイフやショートソードをちらつかせ威嚇してくるチンピラ数名

…ナイフで勝てるとでも思ってるのか?

チC『武器は抜くなよ…死にたく無かったらよ』
下品な笑みを浮かべ背後から寄ってくる一名

なるほど、後ろにもいたからこんな強気だったのか…

チC『両手上げな』

おとなしく従う

腰の辺りを探る男…

腰の金貨袋に気付いて手をかける…

その瞬間

ブシュ

腰の金貨袋を取ろうとした男の右手から鮮血が噴き出す

チC『ギャーーーー
周りの奴らは我が目を疑ったろう、両手を上げていたはずの俺の右手に真っ黒な刀が握られていたのだから…
その黒い刃は男の右手首を綺麗に切断し、両手を下ろした俺の右手に収まっている

俺から少し離れた場所を激痛で転げ回る仲間に集まるチンピラ共、必死に止血してるようだ
しかしすぐ手当ても終わったようで…

チB『ナメた真似しやがって、どんな手品だか知らねぇが容赦しねぇ、ぶっ殺す

…胸の奥から広がるどす黒い感情、このチンピラ共…

殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
頭の中いっぱいに広がる言葉…自分が少しずつおかしくなってるとは自覚していた、これは俺の感情ではない、そうは思うが、心に直接訴える…目の前のものを、周りのものを、そして【全ての人間を】…抗えない

ク『…フフッ…フフフッ…ハハハハハハ

高笑と共に腕からどす黒い煙が上がる…周りのチンピラ共は自分達がどんなに愚かだったか今更ながらに思い知ったようだ…

ク『無事で済むと思うなよ…』

暗い路地裏に複数の絶叫がこだまし、後にはいつもと変わらぬ姿の風景が広がっていた…

…続

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