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唐笠
これからの方向性
「これからどうするのが正しい…」

とにかく俺は帰りたい。
早く俺の体に戻りたくて仕方がない。

だかどうするべきか、何をすれば戻れるのか全く検討もつかなくて正直お手上げだ。


昔見たマンガである日少年がトリップして誰かと入れ替わってしまうというものがあった。
今の俺と全く同じ状況。

そこで少年は最初は驚きながらもトリップ先でもうまくやっていた。
そのときはさほど違和感など感じていなかったが今自分が同じ状況になってみるとあの主人公の反応がおかしなものにしか思えない。

驚き?確かにある。
しかしそんなことよりもただただ怖くて仕方がない。

鏡をみても俺の顔じゃなくて、俺のはずなのに入れ物は俺じゃない。
だからといって俺は朝倉薫か?いや違う。
もともと演じるつもりもないが、もし薫を真似たとしても同じだ。

今の俺は誰でもない。
そして今の俺を「俺」と認識してくれる人もいない。
いつも俺の存在を俺に強調していた左近もいない。

片割れの存在は俺にとって自分をなによりも認識させるものだったのに。

今の俺は、
俺でさえ、
俺なのか、
確認するすべなんてない。


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あきゅろす。
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