真皇帝物語 穢れた誇り いとしい国を守るのは、国を統べる者の務め。 国とは、そこに住まう民のこと。根底を支える民がいるから、すべてが回り、動いて、息づく。 民は言わば、国の命。 決して失うことの許されない、最も尊いもの。 その命を守ることこそが、国を守ることになる。それは、我々の生まれ持った義務であり、道であり、誇りである。 だからこそ、何の疑いもなくそれを果たすことに力を尽くした。大切で、いとしい民を守り続けてきた。 だが、自分は時に思うのだ。 民を守る自分を守ってくれるのは、いったい誰なのだろう――――? [次へ#] [戻る] |