[携帯モード] [URL送信]

MAIN
旅立ち
夏、珍しく雨の降ったある日の事であった。


町長「……――…」


町長とその幹部がこそこそと裏通りで話をしている。


カイ(ん?なんだろう…)


気になったカイは近くに隠れ、話を聞き始めた。


カイ(いわゆる「盗み聞き」ってやつだな・・・。)


幹部「そろそろあいつを国に引き渡さないといけませんね…」


町長「そうだな…早くカイを渡さなければ、この町も国にやられてしまう…」


カイ(・・・?!俺・・・?!・・・・・・どういうことだ・・・?


俺を国に引き渡してどうするってんだよ・・・!)


カイはヤバイと感じ、この場所から出ようとしたがその時・・・


「カンッ…カランカラーン」


辺りに音が響いた。


カイは足元にある缶を蹴ってしまったのだ!



カイ(し…しまった!)


幹部「!誰だ!」


カイ(まずい・・気付かれた!)


ダダッ・・・ カイは傘を捨て、とっさに逃げ出した。


町長「あの金髪・・・カイだな…!聞いていたとは。捕まえてすぐ国に引き渡そう」


幹部「ええ・・早く見つけないと他の町に行ってしまうかもしれない…


急ぎましょう!」


2人はカイを追ってきたが、普段の運動量から考えて追いつくことはありえないと余裕で撒いた。


そして必死に走って町の外へ向かった。


カイ「正門には兵士がいる・・どうするか・・・


あ、確かこの辺に裏道があったはず…」


そう呟きながら正門近くの植木を退けると、人一人入れるぐらいの小さい穴が開いていた。


カイ「あったあった・・。全くめんどくせーことになっちまったな」


一息ついて、空を見上げた。


(・・どうしてこんなことになったんだ?それ以前に、俺は何者なんだ?


国に引き渡さなければ、町がつぶされる?どういうことだ・・・


何もかも、全くわからねぇ。)


カイ「わかってるのはひとつ。ここに留まってちゃいけねぇってことだ。


・・・こんな形でこの町と別れるなんてな・・」


そう言うと穴を通り、出たところは塀の外。・・・カイは、町から出ることに成功した。



そしてまた走って隣町、クィルへと向かった。


その頃町長はカイを指名手配し、町中の者がカイを探し回っていた。


――運命か、偶然か・・どちらかはわからない。


ただそこには真実があるのみ―――



next→
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!