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TRPG似非リプレイ
捜索 狼岩
子供達に教わった通りに森の中を進むと、やがてそれらしい岩が見えてきました。子供達が言うように、口を開けた狼に見えなくもありません。


トゥーノ:これが狼岩ね。

レセン:狼の姿はありませんか?

GM:周りを見回してみると、近くの茂みから『がさっ』と音が。2・3頭の狼が様子を伺っているようだね。

エリウッド:アルスラン、仲間がいるよ。

アルスラン:ボクは完全に狼になれる訳じゃないんだけど…。

スイレン:…エサを撒いてみる。

GM:じゃあ、周りの茂みからぞろぞろ数十頭の狼が(笑)。

一同:おわっ!?


最初はいつもの子供達ではないので警戒していた狼達も、エサの効果で一行のすぐ側までやってきました。思わず狼達と戯れてしまう冒険者一行。
しばらく遊んでから、ふと我に帰り…。


レセン:私達は遊びに来た訳ではないのでは?

エリウッド:そうだね。狼達、お腹空かせてるみたいだし、アーケンはここにエサやりには来なかったのかな?

アルスラン:昨夜雨降ってたし、岩の隙間で雨宿りしてそのまま寝てるとかは?

スイレン:一応岩の隙間を覗いて声をかけてみる。

GM:すると中で何かがごそごそ動く気配が。

トゥーノ:手を突っ込んでみる(笑)。

GM:がぶ。

トゥーノ:噛まれた!


子狼を手にぶら下げて騒ぐトゥーノ。どうやら中は狼の巣になっていた様子。アーケンはここでは発見出来ませんでした。子狼を親に返して、一同は相談を始めます。
次に祠に向かう事は決まりましたが、その前に念のため岩の上から辺りを見回してみようという案が出ました。
高い所なら見晴らしも良いかも、という事です。


アルスラン:『敏捷』は高いから、岩登りは楽勝だね。

GM:岩の向こうはそう深くはないけど崖になってるよ。眺めは良いね。

エリウッド:アルスラン、狼だったらここは…。

アルスラン:空を仰いで遠吠えって?「わぉ〜ん!」…なんてね。ちょっと爽快かも(笑)。

GM:じゃあ、周りの狼が一斉に唱和を始める。

アルスラン:わ、どうしよ。

スイレン:…遊んでないで、周りを見回してみる。

GM:『感知』で判定をどうぞ。

一同:(ダイスを振る)

GM:ん?ちょっと待った。今全員ダイス振ってなかった?まさか全員岩に登ってたのか?

エリウッド:そうみたいだね。

GM:……。足元で『ピシッ』という音が。

スイレン:…崩れる?

GM:そう大きい岩でもないし、中は空洞だ。それだけの重量支えきれるか。

アルスラン:え、でも子供達は皆登って遊んでたんじゃ?

GM:君達は全員大人だろうが。しかも身長2メートルを超えるようなヤツまでいる(笑)。

一同:逃げる、逃げる!

GM:降りたければ『敏捷』判定をどうぞ。

レセン:私、『敏捷』低いんですが…。

アルスラン:落っこちたらボクが受け止めるから、跳べ〜!


命からがら逃げ出す一行。その背後で狼岩の上顎部分がゆっくりと崩落し、崖下に消えていきました。
一行にも、狼達にも怪我をした者はいなかったのですが…。


エリウッド:子供達の遊び場、一ヶ所破壊しちゃったね。


一行は後ろめたさを感じつつ、次の祠に向かったのでした。

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