TRPG似非リプレイ
キャラメイクで一騒動
2004年、TRPG『アリアンロッド』が発売されてまだ間もない頃。
この新作を試しに遊んでみるべく、6人の若者が某所に集結しました。
GM1人、プレイヤー5人の構成で、プレイヤーのうち3名が女性。
そして女性プレイヤーの1人はTRPG初参加。ちょっと緊張しているようでした。
ゲームを始めるにあたって、まず最初に行うのがキャラクター作り。
今回はGMから次のような予告が出ていました。
GM:今回は『同じ村に住んでる若者5人が冒険者になるために村を出る』ってところから始めようと思うので、そのつもりでキャラを作ってください。出来れば人間が望ましいです。
プレイヤーA:まだ冒険者になる前なんだね。
GM:うん。だから年寄りとかにはしないように(笑)。じゃあ、まずはメインクラスを決めて。
プレイヤーはそれぞれルールブックを見始めます。
『アリアンロッド』ではキャラの職業(クラス)が10種類用意されており、そこからメインとサポート、2種類を選んでキャラを作るようになっています。
その内、メインクラスとして選べるのはウォーリア(戦士)、メイジ(魔術師)、アコライト(侍祭。神官の下のクラス)、シーフ(盗賊)の4つ。
プレイヤーE:戦士やりたいー。私ウォーリアで。
プレイヤーA:じゃあこちらはメイジかな。
プレイヤーC:シーフやるー。
プレイヤーB:ならアコライトにしようか。
プレイヤーD:回復役は多い方が良い?じゃあアコライト。
GM:決まった?次はサポートクラスをどうぞ。バランス考えてね。
サポートクラスに選べるのは上記の4つに加えてサムライ、モンク、レンジャー、サモナー(召喚師)、バード(吟遊詩人)、アルケミスト(錬金術師)の6つ。
それぞれ使える技能(スキル)が違うので、パーティのバランスをとりながらクラスを決めていきます。
プレイヤーC:銃を撃てるキャラが良いなぁ。アルケミストにしよう!
プレイヤーB:戦士1人しかいなかったね。前衛も出来るやつ…。サムライにするか。
プレイヤーA:アコライトサムライ?僕はサモナーにしておこう。
プレイヤーD:つなげると何か変(笑)。
プレイヤーE:あ、体を機械化するスキルなんてのがある!アルケミストとろうかな。
プレイヤーB:それって『鋼の錬○術師』?なら先にアルケミストとったCさんと兄弟にしちゃえば…。
プレイヤーC:兄弟は嫌かも。
プレイヤーE:むぅ、そうか。ならクラスがかぶるのもアレなのでモンクにしよう。格闘家。
プレイヤーD:う〜ん、弓撃ちたいんだけどレンジャーで良いかなぁ…。
プレイヤーA:良いんじゃないかな?まだ誰もとってないし。
プレイヤーD:じゃあそうします。
プレイヤーB:アコレンジャー!?(笑)
プレイヤーC:それじゃ変な戦隊物でしょうが!(笑)
GM:これも決まった?じゃあ次は種族…ってこれは皆人間で…。
プレイヤーA:あ、待った。人間の種族スキルの中に『ハーフブラッド』っていうのがある。これ使えば混血ってことで他種族 の特徴がとれるよ。
GM:え〜っと…。
『アリアンロッド』にはヒューリン(人間)、エルダナーン(エルフ)、ネヴァーフ(ドワーフ)、フィルボル(ホビット)、ドゥアン(亜人)、ヴァーナ(獣人)の6種族があり、そのうちドゥアンとヴァーナはセラトス(有角族)、ケイネス(牙爪族)、オルニス(天翼族)とアウリラ(兎族)、アウリク(猫族)、アウリル(狼族)のそれぞれ3つの部族に分かれています。
選ぶ種族によって基本の能力値が違ってきます。
GMは全員ヒューリンのパーティを想定していたのですが…。
プレイヤーD:美形が良いな(笑)。エルフ〜。
プレイヤーB:体力が増える亜人にしよう。
プレイヤーE:獣人やりたかったんだよね〜(笑)。
GM:おーい、何か始めに言った事から外れてきてないか?じゃ、じゃあ 次はスキルとって能力値計算して。
『アリアンロッド』では各クラスに設定されている技能(スキル)を選ぶ事でキャラクターに個性をつけるようになっています。同じ戦士でも選ぶスキルによって得意武器が違ったり、全体攻撃が出来たり、という具合です。
プレイヤー一同、しばらくルールブックとにらめっこしたり、周りと相談しながらスキルを選んでいきます。
後はHPやMPを計算して、武器防具、アイテムを買ってキャラクターに装備させたり。
ややあって…
プレイヤー一同:出来たー!
GM:出来た?じゃあ次はライフパスなんだけど…。
ライフパスはそのキャラクターがどんな出自、境遇、運命を持っているかを表すもので、それぞれ表があってそこから選ぶようになっています。
自分で選んでも良いし、ダイスで決めても良いようになっており、キャラクターの性格等を決める際の指標として使われます。
中には変なものもあるのでGMは自分で選択する形にしたかったみたいなのですが…。
プレイヤー一同、『面白そうだから』と全員ダイスを振ってしまいました。
プレイヤーA:まず『出自』からだね。
プレイヤーB:AさんはMPが増える『超病弱』なんか良いんじゃない?
プレイヤーA:(ダイスを振って)え〜と、5と4…『超病弱』。
一同:ホントに振ってるー!(爆笑)
プレイヤーA:(ルールブックを見て)MPが+5?『常に悪夢に悩まされている』らしい。
ライフパスは能力値が増える長所と一緒に弱点ももらえるようになっているのです。
続けて境遇表でダイスを振ると…
プレイヤーA:6と3。『呪い』。
一同:しかも呪われてる〜!?(爆笑)
プレイヤーA:『呪いの内容はGMと相談して決めろ』って書いてあるね。何か考えときます。
こんな調子で皆出自、境遇、運命のどこかしらで変なものを引き当てています。
プレイヤーB:出自で『邪神の祝福』。『あなたは妖魔の血を引いている』って、ますます人間じゃないよ!
プレイヤーC:出自で『人工生命』。創造主に追われてるらしい…。境遇は『組織』。組織の内容はGMと相談して決めろって。コイツも人間じゃないよね〜。
GM:ある意味アルケミストらしいね(笑)。
プレイヤーD:出自で『権力者』。高貴な生まれらしいです。境遇は『復讐』。
プレイヤーE:生まれは『騎士』。わりとまとも?境遇は『秘密』。何かとんでもない事を知ってしまったらしいです。運命は…『死』!?『安らかに死ぬ事は出来ない』って書いてあるー!
GM:こ、これを相談して決めろって…?
GM、頭を抱えてしまいました。
この状況では『普通の村人が冒険者になって旅に出る』よりも『村にいられなくなってトンズラ』が正しいような(笑)。
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