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TRPG似非リプレイ
ようやく救出?
蜂の部屋を後にした一行が次に見つけたのは立派な金属製の扉でした。
が、この扉は鍵がかかっている様子もないのに押しても引いてもびくともしません。
一行は早々にあきらめて次へ向かいました。
そして次に見つけたのは倉庫のような場所。『今度こそ!』と扉を開けると中には目も眩まんばかりの金銀財宝が山積みになっていました。
一瞬盛り上がった一行でしたが、『大量過ぎるし目的が違う』と我に返りました。そして宝は無視して部屋の捜索を開始。


スイレン:『危険感知』と『罠感知』(ダイスを振る)。

GM:(出目を見て)う、どっちも成功。宝の山に触ると天井が落ちてくるようになってる。

一同:危なっ!

スイレン:宝の他に何かない?

GM:部屋の隅の方にぼろっちい木箱が。

スイレン:よく調べてから開ける。


この木箱にも毒針の罠が仕掛けてありました。何とか解除して箱を開けると、中からは鍵の束と何か液体の入ったビンが1本出てきました。
メイジのエリウッドが液体を調べると…。


GM:どうやらあの接着剤を無効にする薬らしい。

トゥーノ:やったわね。これであの接着剤地帯を抜けられるじゃない。

レセン:鍵も見つかりましたし、早く戻りましょう。


一行は急いでアーケン達が捕まっている部屋へ戻りました。そして部屋の入り口から侍祭に鍵を見つけてきた事を伝えます。


スイレン:…これで助けに行ける。

アルスラン:でもこの薬、1本しかないよ。全員使えるのかな。

GM:靴の裏に塗るくらいなら全員分ありそう。全身に塗りたければ1人分だ。あ、接着剤地帯を転ばずに抜けるには『敏捷』で判定してもらうから。

エリウッド:全員で行くと転んだ時がやばいね。

トゥーノ:じゃあ、誰か1人に塗って1人ずつ運んでくる事になるわね。誰にする?

レセン:戦える人が良いのでは。アルスランかトゥーノ?

アルスラン:ならボクが行こうか。ボクなら何かあった時に武器なしでも戦えるし。

エリウッド:じゃあ行ってもらおうか。

GM:(手元のメモを見て)…あ。この世界の獣人って全身毛皮だっけ?

アルスラン:え?(ルールブックを確認)違うよ。耳としっぽが動物なだけ。

GM:毛皮の部分は薬が効かないから気をつけてね。

アルスラン:しっぽは垂らさないように頑張って腰に巻き付けとくよ。ベルトみたいに。

GM:あと、布地とか皮鎧なんかも薬を吸い込んじゃって効果がない。

アルスラン:うっ、それって『脱げ』って事?…良いよ、分かったよ。短パン1枚残して脱ぐ!尻餅はつかないように気を付ける(泣)。

GM:で、薬を塗るわけだね。塗った所から肌が褐色にツヤツヤと…(笑)。

一同:ボディビルダーかよ!(爆笑)

アルスラン:うっっ、思わずポージング。

一同:するんかい!(爆笑)

アルスラン:い、いやついっ…。と、アホな事やってないで助けに行ってきます(笑)。鍵貸して。


鍵束を受け取ったアルスラン、恐る恐る接着剤地帯に足を下ろします。薬の効果でくっつく様子がないのを確かめて、まずはアーケンの檻に向かいました(『敏捷』判定は成功)。


アルスラン:武器なしは別に良いけど、鎧なしは心もとないなぁ…。


用心しつつ接着剤地帯を抜け、アーケンが囚われている檻へ。心配していた襲撃は今のところありません。
アルスランは気を失ったままのアーケンを抱えて仲間の元へ運びました。トゥーノが彼に『ヒール』をかけるのを見届けてから侍祭の元へ。侍祭も難なく助け出す事が出来ました。


アルスラン:じゃあ最後。女の子を助けに行くよ。

エリウッド:まあ待て。

アルスラン:えっ?

エリウッド:あいつは何か怪しい。相談するから、ちょっとそこで待機。

GM:何でそんなに用心深いんだ、新米冒険者なのに!

アルスラン:え、えぇ〜…っとぉ…(困惑)。


一行はアルスランを接着剤地帯に残したまま相談を始めてしまいました。その間にも…。


少女:早く助けてください〜…。

アルスラン:すぐ行くからちょっと待って!…って、まだ〜?

エリウッド:だから『待て』って。


アルスランを置き去りに、相談は延々続きます。


GM:女の子もアーケンと同じく弱って来てるみたい。声がだんだん弱々しくなって…。

アルスラン:わーっ、早く早く!結論、結論は!?

エリウッド:分かった分かった。行って良いよ。


アルスランが慌てて駆けつけた時には、少女はぐったりと床に倒れ込んでいました。その顔は蒼白で、呼び掛けても反応がありません。


アルスラン:抱き上げて皆の所に運ぶ!

GM:じゃあ、転ばないように『敏捷』判定。その前に、アルスランは少女の体が異様に軽い事に気がついたよ。

アルスラン:え?(ダイスを振る)と、とりあえず判定は成功。

GM:接着剤地帯を渡り始めたところで、少女がうっすらと目を開けた。

アルスラン:もう大丈夫だよ。すぐ治してあげるから!

GM:少女はアルスランの顔を見上げて何か言おうとして…そのまま目を閉じる。息が止まったよ。

アルスラン:しっかりしろ、死んじゃダメだ!皆のところに急ぐ〜!

GM:…ぐったりした少女の体がますます軽くなって、姿が薄れてきたように見える。で、扉のところにたどり着く前に霧のように消えてしまった。その様子は皆にも見えるよ。

アルスラン:…え?呆然と腕の中を見下ろします。

エリウッド:やっぱり幻だったんじゃないのか?

アルスラン:でも、確かにいたのに…。

トゥーノ:ところで、アーケン君の様子は?ヒールはかけたけど。

GM:目を覚ます様子はないよ。相変わらず蒼白な顔をしている。さっきの少女の様子に似てるかな。

アルスラン:このままじゃアーケン君もヤバいんじゃ?

レセン:早く脱出しましょう!

スイレン:…アルスラン、服とタオル。

アルスラン:あ、ありがと。急いで薬を落として服を着るよ。

GM:薬を落としても何故か肌の色は落ちない。

アルスラン:落ちないの、これ!?良いよ、後で気にする!アーケン君を背負って入り口にダッシュ!侍祭さんは殿に任す。


一行はわき目もふらずにもときた道を引き返します。ですが…。


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あきゅろす。
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