たとえば笑ってくれたら
一年の時から噂になってた彼女。
『笑わない奴が居る』
『誰とも話そうとしない』
そんな風に言われていた彼女を初めて見たのは、二年の半ば頃だった。
一人で食事をしていた。
周りに居た旦那達は気付かなかったみたいだけど……
俺様はバッチリと見た。
彼女が笑っているのを。
優しげな、はかないような……彼女は笑っていたんだ。
近くに居た、仔犬に自分のお弁当を分けて…
俺様は、それから彼女との接点を持とうと頑張ってみた。
今まで聞いていた彼女のイメージとは全く違っていたから。
『冷徹』『心がない』『性格最悪』とか誠しやかに囁かれた彼女の本当の顔が見たくなったから。
今まで、興味なんか持ってなかった彼女に。
俺様は、きっと恋をしたんだろう。
だから、俺様はまず志望大学を変えて同じ教室になれる可能性を上げた。
全く正反対のクラスだったけど(彼女は文系で俺様は理系だったからね!)、俺様は成績良いから普通に移れた。
その際、旦那が驚いて俺様に詰め寄ったけど。(旦那は文系?でもスポーツで上がって来てる人だからねぇ…)
とにかく、これで彼女と近付ける可能性が増えた訳で。
でもまだ確実じゃない。
だから俺様は生徒会のメンバーの一人である竹中半兵衛に接触して頼み込んで、取引をした。
それに成功して、俺様は晴れて三年生で彼女と同じクラスになる事に成功した。
しかも何の偶然か席は隣で。
これは、チャンスだよね?
俺様に振り向かせる為に頑張ってみようかな?
でも、まずは………


たとえば笑ってくれたら
きっとそれは宝石みたいなんだろうな


(名前、聞かないとね)



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