只ひたすらに君を…
1
山崎視点
斎藤さんはあの日以来、魂が抜けた、ただの人形のようになってしまいました。
無理もありません。
「水月…」
当分、隊務は無理そうですね。
「山崎くん、斎藤くんの様子は?」
近藤さんは、とても心配しているようです。
「いえ…それが…まだ」
私がそう伝えると
「…そうか」
彼は残念そうにそう、呟きました。
本当は、私にだってわかっていました。
新選組を守るためには、水の能力者である彼女を、研究室に連れて行かなくてはいけないことを。
残酷ですけど。
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