[通常モード] [URL送信]

只ひたすらに君を…
13
「や………」



水月殿の瞳が、恐怖に揺らいだ。



「さぁ、渡せ」



何も知らない容保様は、水月殿を要求する。



「できません。水月は、渡しません……いえ、渡せません」



一歩も引かない斎藤くんと、たじろぎもしないトシ。



「命令違反で切腹だぞ」



トシは、言う。



「それでも、俺は…水月を渡せません」



引かない斎藤くん。



「そうか…。残念だ」



トシは刀を抜くと、斎藤くんに剣先を向けた。

斎藤くんは水月殿を抱えたままで、向かい合わせに剣を翳した。



「勝負です」
「ああ」



俺達は止めることができなかった。





[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!