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只ひたすらに君を…

「新撰組屯所…?」



必死に走り、立ち止まったその場所にはそう書いてあった。





一体此処は、何があるのだろう。

ここにいる人達は、何を護るのだろう。





僕には関係のない話だけど、何故だか気になった。

それは多分、僕にそれがないからだ。



いや、羨ましいのだ。

僕は。

護るものがあることが。



僕は空に浮かぶ雲のような存在だ。



何処に行くでもなく、ただフワフワと浮遊している。



誰かに求められるでもなく

自由気ままに



泣いて
怒って
笑って



かと言って、“自由”があるわけではない。

いつも何かに捕らわれてる。



空が

表情を曇らせた。





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