只ひたすらに君を… 4 あと数時間もすれば、斎藤くんたちはここへ来る。 俺は斎藤くんに、何を言ってやれるだろうか。 わからない。 二人には幸せになって欲しい。 だから、今は、ここには来てほしくない。 ここに来れば、水月殿はーーーー いけない。 来ては。 いけない。 「近藤さーん。斎藤さんと水月ちゃんが来ましたよ!!迎えましょうよ!!」 藤堂くんの知らせが入り、俺は現実を受け入れなくてはいけないことを悟った。 俺がしっかりしなきゃいけない。 気合いを入れなくては。 「よし……」 俺は、今にも泣きそうな空の下に出た。 . [*前へ][次へ#] |