只ひたすらに君を… 3 「ーーーというわけだ」 俺でも理解し難い内容を、表情ひとつ変えないでトシは話した。 「本気か、トシ」 確認の意味も含め、思い止まってほしくて、俺は聞いた。 「ああ。斎藤には悪いが、新撰組を守るためだ」 そう吐き捨てたトシに、恐怖すら感じた。 背中が寒くて仕方ない。 「俺が“勝手”に決めたことだ。あんたは“何も知らない”」 ーーー全ては新撰組のため そう断言されれば、局長として反論できない俺がいた。 悪いね、斎藤くん。 全ては“新撰組”のためなんだよ。 . [*前へ][次へ#] |