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D.C.U〜ダ・カーポU〜オリジナルストーリー
まゆき先輩
「由夢、さっきのことって何だ?」

「に、兄さんには関係ないことです!」

当たり前なんだけど、兄さんはさっきまでの私と水越先生の話を知らない。

でもだからと言って、兄さんに説明なんてできるはずなんてない。

というか、水越先生も水越先生だよ。
本人を目の前にして好きな女性が誰かなんて聞けないよ。

「それにしても弟クンが大事にいたらなくてよかったよ。
一時は私も胸が詰まるほど心配したからね。」

水越先生たちがいなくなった保健室でまゆき先輩の安堵の言葉が私の頭に引っ掛ってくる。

まゆき先輩、それって兄さんのことを…。

「ほら、弟クンに下手にケガをされるとさ、今後何かと面倒な仕事を頼めなくなるからさ。」

「って、どうせまた杉並関連なんでしょ…。」

「にゃははは〜。分かっちった?」

そう言って談笑する兄さんとまゆき先輩。

「それじゃ、弟クンの世話は妹クンに任せて、私は生徒会の仕事に戻るね♪」

そう言い残して保健室を去るまゆき先輩を兄さんは笑顔で見送っている。

私はそんな兄さんを見ていると、なぜかまたムカムカしてくる。

だから何も言わずに兄さんの左肘に消毒液を吹き掛けた。

「いっ!」

「あっ、すみません。染みますから。」

「そんなことは先に言えよな。」

「ふん!」

私も一応保健委員だからきちんとケガ人の治療はするけど…。

でも…。

「由夢、何か怒っているのか?」

「別に怒ってなんかいませんから。」

まだ凄くムカムカするけれど、治療もあとは傷口に絆創膏を貼るだけ。

と思ったら、保健室のドアが勢い良く開けられた。

「よ、義之。大丈夫?」

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