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D.C.U〜ダ・カーポU〜オリジナルストーリー
増えるライバル
「どうせ音姫のことだから、弟クンのことしか考えていないんでしょ。
そうなると板橋たちがかわいそうだと思ってね♪」

「まゆき先輩…ありがとうございます!」

まゆき先輩にチョコをもらった渉クンは涙を流して喜んでいる。義之もやっぱり嬉しいみたいで笑顔だ。

「ちなみに弟クン、これ杉並にも渡しておいて。
アイツにも渡してあげないとね♪」

高坂先輩は本当に気配りのできる優しい先輩。だからこそ義之も嬉しいんだろうな。

そんな心配をしているうちに結局私は義之にチョコを渡す機会がないまま、教室へ。

教室にもやっぱりライバルがいる。親友でもある杏と茜。

「小恋ちゃん、おはよ〜。もう義之クンにはチョコ渡したの?」

「まだなら何か作戦でも練っているの?」

私の気持ちを知っている杏と茜がいろいろと心配してくれる。でも彼女たちも義之にチョコを渡すんだろうな。
そして義之はまた鼻の下を伸ばして喜ぶんだろうな。

そんなことを考えていると渉クンが声を掛けてきた。

「杏、茜、おっはよ〜♪」

さっきの高坂先輩からのチョコが嬉しかったのか渉クンはまだ上機嫌。

そんな渉クンを見透かしたかのように杏と茜が何かを取り出した。

「はい、渉。これアンタの分よ。私と茜から。」

「おぉ〜ありがとな。杏、茜って…何これ?」

何か気がかりなことがあるのだろうか。
渉クンの笑顔がちょっとひきつっている。

「見ての通り、10円チョコの詰め合わせよ。これなら袋からバラせば、たくさんの女の子からもらったって言い訳できるでしょ。」

「よかったね〜、渉クン。私たちが気の効く女の子で〜。」

「でもこれ賞味期限が今日なんですけど…」

しょ、賞味期限が今日って…。

「予算の都合よ」

杏がきっぱり言った。

「だって義之クンにあげるチョコで予算のほとんど使っちゃったんだもん。ごめんね、渉クン」

謝っている割にはなぜか笑顔の茜。
でも、ということは…。

杏や茜の本命も義之ってこと?
そ、そんな〜私どうすればいいの?

ますますどうやって義之にチョコを渡せばいいのか分からなくなっちゃうよ〜。

そうこうしているうちに、義之が教室にやってきた。

さっきまで音姫先輩と由夢ちゃんから、あと何個チョコをもらうつもりなのか、昇降口で問い詰められていたために、遅れてきたみたい。

「おはよ〜。杏、茜。あれ?杉並は?」

ちょっと疲れ気味の義之に品を作るように近づく杏と茜。

「はい、義之。私の押さえ切れない愛をここに詰め込んだわ。いつでも私に萌えて結構よ」

「あ〜ん、杏ちゃんズル〜い。はい、義之クン。私もこれあげるから、いつでもゾッコンLOVE、OKよ♪」

「萌えませんし、ゾッコンLOVEもしません。ってゾッコンLOVEなんて古いわ!」

杏と茜はやっぱり義之をからかうのが目的なのだろうか。いつも通りにも見える風景。「でもありがとな。杏、茜」

でもやっぱり義之は嬉しそうに見える。

「3月14日を楽しみにしているわ」

「義之クン本人がプレゼントでもいいよ」

杏と茜は相変わらず義之をからかっているみたい。
でも義之は明らかに嬉しそう。

そうだよね、だって杏も茜もかわいいもん。嬉しくないはずがないよね。
そんなことばかり考えていたら…

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あきゅろす。
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