「本当に一人で大丈夫?」
ツナと一緒に学校欠席となるあたしを心配して、朝からずっとこう言ってる白蘭さん。心配性なんだから。
「ツナいますし、つい最近襲撃もどきあったばっかだし大丈夫ですよ」
苦笑しながらそう返したら、休みたいと呟いてる白蘭さん。何か可愛いっ。
「だな、まあ、俺は昼前に帰るから安心しろ」
「うん!」
九条君サボル気満々だな…
あたしが元気よく返事を返すと、くしゃっと頭を撫でられたから(髪くしゃくしゃになったけど)笑顔を返す。
「愛、もしもの時は熱があろうと何であろうと綱吉を盾にしなさい」
「骸さん…」
真剣にそんなことを言うもんだから、あたしは苦笑しながら骸さんを見上げる。彼が言うと冗談に聞こえないから怖い。
「愛チャンこれ本気」
「綱吉にも言ってありますから」
コツンと頭を小突かれて、ポカーンとするあたしに、二人はあたしの後方を見据える。
「え?──ツナ!起きてきちゃダメじゃない!」
あたしが不思議に思って振り返ると、体を無理に起こし、壁により掛かってこちらを見ているツナがいて──、
「へ、平気だって…」
あたしは直ぐに駆け寄って、彼を支えるようにして側に立つ。こんな立ってるのがやっとのくせに、平気な訳ないじゃん。
「平気なわけないでしょ!ほら、寝る!」
「ちょ、愛!」
平気な訳ない。昨日騒いじゃったせいで凄く熱上がっちゃったんだから…、体フラフラの筈だし、だから一人になんかしとけないんだよっ。
あたしはツナを部屋に押しやると、リビングからひょこっと顔を出す。
「いってらっしゃい!」
「「「──」」」
いきなり何を言われたのか、分からなかったのかポケーッとしてる三人にニコッと笑いかけると、ハッとしたように我に返った。
「い、行ってきます」
「行ってくるねー」
「行ってきます」
我に返った三人から返ってきた返事に手を振って送り出す。何だか送る側っていうのもたまにはいいかもね。
***
「俺送り出してもらえたの初めてだぜ」
「僕もかな?部下とかのぞいたら、ね」
「何故僕の方を見るんですか」
「元部下じゃない、裏切り者の」
「ご丁寧に解説ありがとうございます」
「おいおい」
「…………」
俺の前を歩く三人は確か愛の同居人だったな、けど何で九条まであの家から出てきたんだ?
槍振り回して、喧嘩どころの騒ぎじゃなくなってんじゃねえか。
「─…」
珍しい、否、金輪際見れないだろう三人のスリーショットに学校に行けと言われ、足を向けていた彼は目を見張った。
だが、そんな彼…¨颯斗¨に気づくわけでもなく、未だ言い合いを続けながら先を行く三人。
そんな三人はひどく楽しそうで、幸せそうに見えたのはきっと間違いじゃない。
「俺もああだったのか…?」
返ってくるはずもない問いを空に投げかける¨颯斗¨の問いは、後ろから吹く温かい風によって流された。
....
(つーかお前等さ、公共のもん壊すなよ)
(……壊したのは骸君だよ)
(壊れるのは貴方が避けるからですね)
(屁理屈言うなよ、愛に迷惑かかんだからな)
((──))
(、(大人しくなった…) |