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09:(笑顔が一番似合う)

「ツナ、お粥出来たよ」


「ん、…」


怠いな……、そう思いながらも体を起こして、愛の持つお粥に目を向けた。


「食べれる…?」


「うん…」


愛は俺の隣まで来ると、小さな椅子を引っ張ってきて、腰掛けた。


「食べさせてあげよっか」


「なっい、いいよ!」


「照れちゃって」


「照れてなんかないからー!」


クスクス笑う愛からお粥を取り上げて、口に運ぶ。


「え…」


「どうだ、期待しといて損はないだろー」


「あ、うん」


ニコリと笑った愛が言ったとおり、いつもの料理からは比べられない程いい出来だと思った。でも何でお粥だけ…。


「あたしね、パパによくお粥作ってもらったの」


「……うん」


¨パパ¨って事は実父だよな…。懐かしそうに話し出す愛に相づちを打ちながら、お粥を食べる。


「料理は得意じゃないけど、風邪とかで寝込んじゃった人には、何かしてあげたくなるってパパに相談したんだ」


そうしたらね、と愛は笑ってから嬉しそうに話し出す。そんな愛が可愛いなって思ってる俺って重傷?


「だからお粥だけはマスターしたの」


「!そ、そうなんだ……」


何か心臓ヤバイんだけど…、いつもこんなに近くで二人きりになることないからかな。


「ツナ?」


急に黙り込んだ俺を不思議に思ったのか、首を傾げる愛に、いつもは言えないような事を口走っていた。


「やっぱり愛は、笑顔が一番似合うよ」


「え?」


って、何言ってんだ俺ー!
熱で頭イかれちゃってんじゃん!


一瞬きょとんとした愛は、見る見るうちに真っ赤になっていって、俯いてしまった。


ど、どうすんだよ!気まずいじゃんか!


「あ、あの愛…」


「ツナだって…」


「え?」


俯いた愛が急に顔を上げて、俺の頬に手を伸ばしてきた。


何する気だ!と思ったらそのまま横に引っ張られた。え。


「笑ってるのが一番だよっ」


「っ!」


照れたようにハニカむ愛に、引っ張られた頬の痛みより顔に集まる熱の方が何倍にも勝った。


端から見たら二人して赤面して何やってんだ、と思われるだろうけど、俺にとったらこの時間が何よりも幸せに感じる瞬間だった。


こんな時に何だけど、照れてる愛も可愛いんだよな。


だから俺はもちろん、愛も骸たちも、誰一人として明日起きる大惨事を知る由もなかったんだ…。


バンッ!




....
(綱吉君、愛チャンにくっつき過ぎだよ?)
((?!))
(愛も愛です。何照れてるんですか)
(照れてなっ!)
(何だ?愛の本命ってそいつなわけ?)
(ちょ、え!(そうだったら嬉しいけど)
(まさかね?そんなの許さないよ)
(な、何なんですか三人とも!)


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あきゅろす。
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