その後、ツナと一緒に説明をしてから始まったすごろくゲーム。案外公平に進んでる。 「次、愛チャン」 「3が出ますようにっ」 白蘭さんからサイコロを受け取って、ギュッと握ってから振る。実はこのすごろく、何も書いていない升目が多々あり、そこに止まれば余計なことをしなくていいから助かるわけで、 前回の番で、羞恥的な事をしましたあたし的に、何も書いていないところに止まりたいわけです。 「4ですね」 「うげっ」 「今度は何してくれるのかな?」 ニコリと微笑む二人に冷や汗を流しながら止まった升目をのぞき込む。 「今、一番に望むもの…?」 「へえ、何?愛チャン」 「食べ物とかはなしですよ」 「わ、わかってますっ」 二人に突っ込まれながらも、今一番に望むモノって何だろと考えてみる。何だか簡単なようで難しいから浮かばないよ。 「単純なことでいいんじゃない?」 そんなあたしに助け船を出してくれたツナに、直ぐにあることが浮かんだ。 「ありがとう、ツナ」 「べ、別に俺何もしてないし!」 少し照れたようにそっぽを向くツナに苦笑しながら、三人の顔を見回す。 「あたしが一番に望むのは、四人で過ごすこの大切な時間」 「うん、言うと思ったよ」 「全く、欲のない」 「愛らしいや」 自信満々に笑顔で言うと、皆も笑顔になって頷いてくれた。──いつ、終わりが来るか分からないからこそ今を大切に、三人と過ごす一日一日を大事にしていきたい。 その後、数々の平凡話を皆で語り合いながらゲームは終盤へと向かった。 「好きな子に挨拶してきてだって」 「何であたしの方、見るんですか」 「んー?挨拶だから、悪く思わないでね」 「へ?」 ちゅ、と耳元で聞こえたリップ音に、あたしの頬に触れた温かい感触。 「いくら挨拶だとしても大罪ですよ」 「仕方ないでしょ、ゲーム上のルールなんだから」 二人の喧嘩が遠くでされているかのようにあたしの耳に届かない。だって、今…ほっぺにキスされて──。 「愛、大丈夫?」 頬を押さえたまま真っ赤になって固まっているあたしに、気遣って声をかけてくれるツナにも返す言葉が見あたらなくて。 「白蘭さんのばかぁあっ」 て言うのが精一杯だった。 そして、ゲームの勝者はというと──… .... (本当にするの?) (うん) (う"ツナ?何か人が変わってるよ?) (変わってないって) ちゅ、と触れたのは一瞬の頬に祝福のキス。 (綱吉君、キャラ違うよ(苛) (君も同罪ですね、沢田綱吉) |